人生100年を迎え、50歳の折り返しを過ぎるとそろそろ定年後の生活を考えるということもしばしば。このまま順当に仕事を続けていけば、定年時にまとまった退職金が受け取れるはずと、退職金の使い道についても計画しているかもしれません。しかし、想定外のことも起こり得るものです。本記事では、Aさんの事例とともに退職金の制度について、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
2,000万円のはずが…定年直前にまさかの“退職金0円”の悲劇。月収40万円の勤続37年・59歳大卒会社員「えっ、さすがになにかの間違いでは」【社労士の助言】
雇用契約書や就業規則をきちんと確認しておく
新たな職探しをしながら、Aさんは自分が選んだ道が正しかったのか、考えてしまいます。終身雇用(定年)で働き続ければ、退職金が多く受け取れる、そのことのみを記憶していたため、会社の就業規則など、詳細を把握していなかったことが大きな不安につながっていたのではないでしょうか。
実は、Aさんの会社は前段の後者である、中小企業退職金共済制度に加入していたことがわかり、退職金は受け取ることができると判明し、0(ゼロ)円という事態は回避できました。また、社長から倒産は長引くコロナの影響で経営が悪化したためだと従業員全員に謝罪がありました。
想定外のことは誰にも予想することはできませんが、本来、Aさんは雇用契約書や就業規則など、きちんと確認しておかなければいけません。働き方は多様化しているので、トラブルにならないためにもより一層重要となります。
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表