「国民年金」か「厚生年金」かで大きな差が

まずは「ねんきんネット」で確認

年金の受給額は、「どんな種類の年金をどれだけかけたか」で変わります。そのため、受け取れる年金の金額を知るには、まずは「年金」の仕組みについて理解しておきましょう。

[図表]まずは年金の仕組みを知ろう 『老後のお金、本当に足りますか?』(オレンジページ)より抜粋
[図表]まずは年金の仕組みを知ろう
『老後のお金、本当に足りますか?』(オレンジページ)より抜粋

日本の年金制度は、建物に例えると「3階建て構造」になっています。

まず1階部分に、すべての国民が加入する基礎年金である「国民年金」があります。2階部分は、会社員や公務員が加入する「厚生年金」です。3階部分は、確定給付企業年金(※)や確定拠出年金、厚生年金基金などの企業年金や国民年金基金、iDeCo(イデコ)などの個人で加入する年金だと考えてください。
(※)確定給付企業年金:厚生年金の適用事業所において、事業主が従業員と給付の内容をあらかじめ約束し、高齢期において従業員がその内容の給付を受けることができる企業年金制度。

国民年金のみ加入している人は、受給できるのは国民年金の金額のみとなります。厚生年金に加入している人は、国民年金に加えて厚生年金の金額が上乗せされます。企業で加入する年金やiDeCoはそれに加えて給付される、という仕組みです。

年金の額は、計算式で決まっている

1年にもらえる年金額は、下の式で概算を出すことができます。こちらは2023年分を基準にした計算です。

①国民年金6万6,250円(2023年年金月額)×(※保険料納付月数÷480ヵ月)×12

※保険料納付月数の計算が必要なのは、480ヵ月未満の場合のみ。

②厚生年金自分の平均年収×加入年数×0.005481

年金額や年収は変動するため目安ではありますが、国民年金のみ払っている自営業の方は①の6万6,250円(年79万5,000円が満額)。会社員の方は①+②が受け取れる年金額となります。

仮に、大学卒業後に23歳で就職し、65歳で定年を迎えたとすると、厚生年金の加入期間は42年(504ヵ月)。男性の平均報酬額は2020年度末のデータで月額約35万円(年収約420万円)、女性は月額約24万円(年収約288万円)ですから、計算すると

男性年間約176万円

女性年間約146万円

となります。

「計算が複雑でよくわからない」という人は、日本年金機構が開設している「ねんきんネット」にアクセスしてみましょう。マイナンバーカードとメールアドレスを準備して登録をすれば、自身の年金の記録や、将来もらえる見込額を計算することができます。マイナポータルからも確認できますよ。