株を保有してみて、気づいた「大切なこと」

はじめに10万円以下の株を2〜3銘柄購入して以来、じわじわと自分の意識と生活が変化していきました。

「お金のことを話すのはどうも」「株って」という空気が世にあるのは確かで、投資や株が楽しい! ということは、節約術を話すのとは違って話題にしづらい面もあります。投資や株、というと自分には関係ない世界のことと思う方も多いと思うのですが、私にとっては節約などと並んで、暮らしを構成する1パーツになりました。

お金やものは、誰かに渡すとその人のものになりますが、情報なら色々な人と無限に共有できます。それで私たちみんなの暮らしぶりがよくなったら、ただ一人で稼いだり投資したりするよりも、ずっと面白いことだと想像しています。

お金を自分のためにただ消費して終わりでなく、経済についてのあれこれや自分のお金の使い方のクセを、気づかせて学ばせてくれる投資が私は好きです。投資も倹約も、面白そうと思ったらまずやってみると、自分の想像をはるかに超えた新しい世界が広がるのでは、と思うのです。

株を買う種銭を集めるため、「株を買うことを優先とする」という生活を送ってみて、お金は貯め方も大事だけど、使い方を見直す方がもっと大事、ということにあらためて気づきました。これがもし、ただやみくもに「生活費を削減する!」ということだけだったら、きっと上手く支出の管理を徹底できなかったと思います。

それを超える、実現したい目標があるというのが大事でした。

それまでの自分なら、気分によって「貯金よりも旅行にお金を使いたい」などと、簡単に優先順位がバラバラになりがちだったのですが、株を買うという「強力な圧」をつくったおかげで、お金の使い方にもこれまでにない緊張感が出て、軽い気持ちでお金を使わなくなったのです。

「株が買える!」「少しだが利益が出ている!」という達成感が、あるのとないのとでは日々の過ごし方も大きく変わります。生活にメリハリがつくのも、投資の効果です。

いまは、iDeCoやNISAを使ったインデックス投資でリスク分散しつつ、ストレスや無理のない範囲で、主に日本の優待株や高配当株をぼちぼちと買っています。優待カタログが送られてきたり、配当金が入るのは、株を買っていなければ得られないことです。

当初は、米代を目標にトータル20万円ほどではじめた株でしたが、その目標を達成したいまは、「喫茶代を株主優待でまかなえたらな」と「配当金が入ってくるといいな」に進化しました。

投資先の選び方はシンプルで、受け取れる優待の内容、配当金の金額、株価の割安感で決めています。中長期保有が目的なので、自分が根気強く持ち続けられる銘柄を買うことも気にしています。

「自分が大きなストレスを感じず、長く保有していられるか」「自分が許容できる範囲のリスクであるかどうか」もかなり大事ということもわかりました。

優待や配当金などの、わかりやすいメリット以外にも、個人的には自分が日常を過ごす中で感じた「あのサービス、今流行ってる」とか「今自分が活用しているサイト」などが、株の状況とリンクしていくことが面白いなとも思っています。自分の生活と株価が連動している感じというか、経済の世界と自分の日常がつながって、共に面白さを増していく感じがとても良いです。

保有している株の動きに一喜一憂しているときもありましたが、いまは植物の成長をみるような気持ちでそっと見守る余裕も生まれてきました。次はいつ何を植えるか、どんな種や苗を買うか、どう育てていくかなど、園芸店やホームセンターで物思いにふける……のと同じような感じで株を選んでおり、ベランダに置いたプランターのように日々の楽しみを与えてくれる存在です。

期待したのに芽が出なかったり、思いっきり枯れて悲しいこともありましたが、時々思いもよらぬ花を咲かせてくれたり、果実を実らせてくれることが、私の生活の喜びの一つになっています。

かぜのたみ
YouTuber