2020年、グリニッジ高校の3年生が『Roblox』というゲーミングプラットフォームでゲームの制作を行い、200万円を超える収益を得ました。同プラットフォームでは、専用のゲームエンジン『Roblox Studio』で制作したゲームを有料で配信できるほか、アバター用のコスチュームなどを販売して収益を得ることが可能であり、現在200万人以上のユーザーがゲームを公開しています。ゲーム制作の過程ではプログラミングや3Dグラフィックのスキルを身に付けられる上、収益を得るために企画・マーケティングのスキルも学べるため、「Roblox」は教育ツールとしても注目を集めています。本稿では、Robloxの熱心なユーザーでもある株式会社シュタインズの代表取締役・齊藤大将氏が、Robloxの事例を軸に、教育ツールとしてのゲームの可能性について解説します。
自作したゲームを「全世界」に公開…プログラミング・3Dグラフィック技術やビジネススキルを学べるゲーム『Roblox』とは? (※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

全世界に2億人以上のユーザーを抱えるゲーミングプラットフォーム

(※写真はイメージです/PIXTA)
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Robloxは世界中の若者に愛されているオンラインゲーミングプラットフォームです。

 

このプラットフォームは、Roblox Studioという専用のゲーム開発ツールを使うことでユーザーがゲームを制作し、ほかのユーザーと共有できます。Robloxは現在、スマートフォンやPCなど、さまざまなデバイスからアクセス可能で、ペット育成やピザ配達、ミニゲーム、対戦型シューターなど、幅広いジャンルのゲームを楽しめます。

 

Robloxの月間ユーザー数は全世界で2億人以上と、メタバースの世界で大きな注目を集めています。ゲーム内の言語は一部日本語に対応しているものの、基本的には英語。そのため、ゲームを作ったり遊んだりする過程で、自然に英語に親しめることも魅力の1つといえるでしょう。

 

上にメタバースという言葉を使いましたが、Robloxと同様にいまでは「ゲーム×メタバース」として認識されることの多い『Minecraft』や『Fortnite』などの有名なタイトルも、元々は「VR SNS」と呼ばれていました。

 

現代ではゲームそのものがSNSと化しており、さまざまな人が同時に、そしてランダムに参加可能なプラットフォームで世界中の人と交流したり遊んだりできることから、メタバースという言葉が広く知れ渡るにしたがって、これらのゲームも次第にメタバースとして捉えられるようになったのでしょう。

金融の世界にも影響を及ぼす革新的なビジネスモデル

(※写真はイメージです/PIXTA)
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Robloxには、GameFiの要素も含まれています。GameFiとは、ゲームをプレイすることで、ゲームの外においても価値がある仮想通貨やNFTを獲得でき、ゲームなのに現実世界のお金を稼ぐことができる、ゲームと金融を組み合わせた仕組みです。

 

人気があるゲームの場合、ゲーム内の仮想通貨が暗号資産取引所で取り扱われることもあり、稼いだ仮想通貨はドルや円に交換可能です。またRoblox上でユーザーが制作したゲームは、ゲーム内通貨『Robux』を通じて収益化でき、有料のゲーム配信やアバター用のアイテムを販売することで、現実世界での収益を生み出せます。

 

この革新的なビジネスモデルは、ゲームの世界だけでなく金融の世界にも影響を及ぼしています。

 

2020年には、アメリカのグリニッジ高校の3年生・Jacob Korffさんが、冬休みの余暇を活用してRobloxでゲーム制作に取り組み、合計で200万円以上もの収益を得たという例も。彼はこれまでもこのゲームで遊んでいたようですが、実際にゲームを制作した経験は2019年の1本だけで、日常的にゲーム開発を行っていた訳ではありませんでした。

 

そんな彼がRoblox内で子どもたちに人気のあるゲームを徹底的に調査し、レベルごとに難易度が上がる障害物コース『Aio’s Wraparound Difficulty Chart』を友人と一緒に制作した結果、200万円以上もの収益を得ることになったのです。