「やりたいことがあるの。だけど、お金がなくて……」多くの人が抱えている「お金がない」という悩み。友人や家族に会った際、つい口に出してこぼしてしまうという方も多いのではないでしょうか。しかし、『お金の不安がなくなる小さな習慣』(毎日新聞出版)著者の有川真由美氏は、「お金がない」を禁句にしたらお金が回り始めたといいます。今回は、たったいまから取り組める、お金の不安をなくす口癖やマインドについてみていきましょう。
やりたいことがあるなら「お金がない」は禁句?…お金が不思議と“集まる”口癖、“逃げていく”口癖【ベストセラー作家が助言】
むりにポジティブより、“あえて悲観的”のほうがうまくいく
「ポジティブなことしか考えないようにしましょう」「いいことを考えればいいことを引き寄せる」など啓発本などでよく見かける思考。間違ってはいないと思います。
しかし、これは行動する段階のこと。人生を歩いていくためには、計画の段階で〝落とし穴〞があることもわかって、それを避けたり、落ちても軽傷で済むようにしておいたりする必要があるのです。
とくにお金の面では、あえて「最悪の事態」を想定する必要があります。
たとえば、夫婦で家やマンションを購入して、離婚するときにもめるのはよくある話。あとで「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、予防線を張っておくのは、ひとつの責任なのです。
ほんとうのリスクヘッジとは、起こってから対応することではなく、起こらないように気をつけること。万が一、離婚したときのお金の配分などを考えることも大事ですが、まずは離婚しないようにコミュニケーションをとることのほうが先でしょう。
これまで心理学の研究でも、「楽観的な人は成果をあげやすい」とされてきました。「自分はできる」「うまくいく」と信じることがパワーになり、不安にとらわれないからです。しかし、一方で「心配性で悲観的な人も成果をあげる」ともいわれます。
「これができていない」「まずい。もっとがんばらなければ」と考えて動く人は、不安が原動力になるのです。心配性でしっかり確認する人も、ミスが少ないでしょう。「ああ、もう自分はダメだ」と悲観にとらわれて行動できなくなるのが問題なのです。
悲観的に計画して、楽観的に進む人がもっとも成果が大きいといいます。
悲観的に考える人は、楽観的な人に比べて不安やストレスを感じることも多いもの。ですが、その分、うまくいくことも多く、人生の満足度、幸福度も大きいのです。
有川 真由美
作家