暖かくなると、ワンちゃんも人と同じように活動的になってきます。いきいきと活発になる反面、環境の変化を感じ取ると、心と体に影響も。ワンちゃんの様子をよく見て、不調やストレスのケアをしてあげましょう。現役獣医師で『愛犬と20年いっしょに暮らせる本 いまから間に合うおうちケア』より、著者の星野浩子氏が、春に起こりやすいワンちゃんの体調トラブルとヘルスケアの例をご紹介します。
愛犬がイライラ、ソワソワして落ち着かない…春に起こるワンちゃんの体調トラブル。予防・解消に効く対策は【獣医師が解説】
春は、目、爪つめ、筋すじに不調が出やすい季節
目については、めまい、涙目、ドライアイ、かすみ目などがよくある症状です。
めまいは見た目にはわかりにくいのですが、急に立てなくなった、フラフラする、吐く、といった症状が出た場合、原因はめまいであることが少なくありません。頭を固定すると、目が振れているのがわかります。
爪については、割れる症状が多く出てきます。
筋というのは、東洋医学では筋肉というより、腱、筋膜、じん帯など、関節をサポートする器官を指します。
血のめぐりが悪くなって、筋に栄養が送られなくなると、けいれん、ふるえ、チックのように体の一部がピクピクふるえるといった症状が起こります。
また、最近はワンちゃんの花粉症も増えています。
ストレス解消には酸味・シジミ・アサリ
ストレス解消には、酸味のあるものが効きます。たとえば、トマト、リンゴなどがあります。
また、酸味に甘味を合わせると、酸味を抑えつつ、体をうるおす効果があります。和食の酢のものには砂糖が入りますね。それと同じ考え方です。
甘味の食材には、ハチミツ、黒豆、人参、卵などがあります。人参は目にもいいですね。
ヨーグルトは酸味と甘味の両方の性質をもつので、おやつに使ってはいかがでしょうか。
ほかに、ストレスの影響を受けやすい肝臓のサポートにはシジミ、アサリがおすすめです。ワンちゃんには、身はとり出して、だしだけ飲ませてください。
血を増やし、めぐりをよくして、爪や筋にまで栄養を届かせるには、レバー、ひじきもおすすめです。
星野 浩子
ほしのどうぶつクリニック院長
獣医師/特級獣医中医師