2024年1月1日に食道がんで亡くなった人気経済評論家の山崎元さん。「余命3カ月」を宣告され闘病中だった山崎さんが、これから社会に出る息子へ、そして読者たちに伝えたかったこととは? 遺作となった『経済評論家の父から息子への手紙』(Gakken)から、ご紹介します。
「モテ」の秘訣はただ一つ
さて、ナチュラルにモテる男は幸せそうに見えると言ったな。しかし、そのためにどうしたらいいかを息子にまだ伝えていなかった。
しかし、息子も分かっているだろうけれども、父は、率直に言って「モテ」の道の達人でも上級者でもない。しかし、目標だけ言って、解決策を提示しないのは不誠実だ。以下、仮説に過ぎないが、モテる男になるためのコツを述べておく。
それは、心からの興味を示しながら、相手の話を熱心に聞くことだ。ひたすら聞くのだ。これが肝心だし、これだけでいいのかもしれない。自分から行う自分語りは一切いらない。自分について語ろうとすると、どこかに自慢やアピールが混じる。やめておけ。
父は、世間を観察して、いわゆるスペックの高い男でも、自分語りが多い男は驚くほどモテないことに気がついた。これは同時に父が若いころにモテなかった理由であったかもしれない。反面教師的な有力データだ。
この仮説はそこそこに機能したように思うが、検証にはサンプル数が足りない。検証の続きと理論の発展を息子の代に任せる。頑張れよ!
上機嫌で暮らせ!
結論を述べる。
モテる男になれ。友達を大切にせよ。上機嫌で暮らせ!
父の長話に付き合ってくれて、どうもありがとう。