「モア・イズ・ベター」がよいとは限らないワケ

「モア・イズ・ベター」とは「物をたくさん所有すればするほど、いい人生になる」という考え方です。物を手に入れるためにはお金が必要だから、モア・イズ・ベター精神で生きると、人生の目標はお金を稼ぐことになります。

このマインドセットを持ち、お金を稼いで、物をどんどん買っていくと、人はあることに気付きます。いくらお金や物があっても、満足できないということに。

アメリカに、年収1千万円の仕事をやめ、所持品の8割を捨ててミニマリストになったジョシュアとライアンという人がいます。

今、お金に苦労している人は、「なぜそんなに給料のいい仕事をやめてしまったの?」「ミニマリストになったり、不用品を捨てたりするのは、ぜいたくな人のやることじゃないの?」なんて思うかもしれません。

彼らはアメリカンドリームを信じ、稼いだ給料以上に物やサービス(たとえば、皆がうらやましがる豪勢な休暇など)にお金を使いすぎました。その結果、クレジットカードの借金がふくれ上がり、ストレスが増え、いつも不幸せでした。

2人は、「お金を稼いだほうが幸せになれる」と思い、それをゴールにしていたから、かえって不幸せになってしまったのです。

「お金や物が幸せの鍵ではなかった」と気付いた2人が、「お金があればあるほど幸せだ」という考え方を手放したら、前より充実感のある暮らしになりました。

「それはそうかもしれないけど、やっぱりお金は必要だ」と思う人は多いかもしれません。「お金で幸せは買えない」ということに同意しても、「でも、人生の問題の9割くらいはお金で解決できる」と信じている人が多いのではないでしょうか?

確かにお金があれば、いろいろな便宜を手に入れることができます。それは多分、快適なことでしょう。あまりにもお金がないと人間的な暮らしをするのもままなりません。

しかし、モア・イズ・ベター精神のままでいると、いろいろな物をどんどん買ってしまいます。より大きな家や別荘、素敵な車、最新のガジェット。いつまで経っても終わりがありません。こんな買い物を続けながら、満たされない気持ちでいるのは、物やお金から自由になっていないからです。

人生の目的は数を集めることではありません。より充実した人生とは、できるだけ多くのお金を手にすることではなく、できるだけ多くの自由を手にすることではないでしょうか?

筆子

ブロガー