「まとめて買うのがお買い得!」そんな言葉に惑わされてはいませんか? まとめ買いには意外なデメリットもあるため、必要なものを必要な分だけ買うのが賢い方法です。著者『買わない暮らし。 片づけ、節約、ムダづかい……シンプルに解決する方法』(大和出版)より、筆子氏が貯金に回せるお金の使い方について解説します。
まとめ買いをおすすめしないワケ
家にストックがたくさんあると、どんどん消費します。「まだまだたっぷりあるから大丈夫」と気が大きくなってしまうのです。たくさん買いすぎて、早く消費しないと賞味期限や使用期限が来てしまう、という場合もあります。
特に飲食物はそうなりがちです。コーラ、ビール、ジュース、ペットボトルの水。冷蔵庫にたくさん冷やしておくと、暑い日は飲みすぎるもの。
コーラを1缶65円で買っても、3缶飲んだら195円です。自販機で1缶買っただけなら1缶飲んで終わりなので、120円の出費でおさまります。またのどが乾いたら、水道の水や麦茶を飲んで終わりです。
スーパーの棚に食品があまり残っていないと、どちらかというと買う気が失せると思います(パンデミック前に、人々が買い占めているときは別です)。スーパーでは食品ロスが多いのですが、通常、たっぷりと食品を並べて、景気のいい雰囲気を出すためです。そのほうが、お客さんは買う気になります。
食べ物以外でも、家にたっぷりあると無駄遣いしがちではないでしょうか? 人間は失うことがきらいなので、在庫が少ししかなかったら、なくならないように気を付けて少しずつ使います。一方、たっぷりあるときは、気兼ねなくどんどん消費します。
せっかく、まとめ買いをして単価を下げても、食べすぎや使いすぎをすれば、何も得していないのです
なぜいらない物にまでお金を払ってしまうのか
まとめ買いすると、気付かないうちに不要な物にお金を支払ってしまいます。
カナダの衣料品店では、「2つ買うとひとつは半額」というプロモーションをよくしています。日本でも同様の売り方があるでしょう。2つとも必要なら問題ありませんが、必要なのはひとつだけだった場合、2つ買うと、支払ったお金の50%を、いらない物に支払うことになります。
まとめ買いは、この「2つ買うと、ひとつは半額」という売り方の拡大版です。
別の例を挙げましょう。普段使っているボディシャンプーのラージサイズのボトルをドラッグストアの棚で見つけたとします。今、必要なのは3ヶ月分ほどなのに、「大きなボトルで1回あたりの使用量が安くなる」と考えて、普段使っているシャンプーの6倍の量のシャンプーを買ってしまったらどうなるか?
たくさんあるのでどんどんプッシュして使いすぎてしまうか、2年経っても使い切れずにうんざりするのではないでしょうか?
途中で飽きて、別の機会に店で目についた新商品を買ってしまうかもしれません。
すると、お風呂場には使いかけのボディシャンプーの巨大ボトルが残ります。
単価を抑えるために大きなボトルを買ったのに、別のシャンプーを買ってしまえば、当然のことながら余計な出費です。
筆子
ブロガー