住宅ローンを借入れて住宅を取得する際に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度「住宅ローン減税」。マイホームを考えている人たちにはありがたい制度ですが、今年1月から条件等が変更になりました。しっかりと抑えておきたい変更ポイントを、フジ相続税理士法人・代表社員の髙原誠税理士に解説いただきました。
【超重要】2024年1月から変わる「住宅ローン減税」知っておくべきポイントを専門家が解説

 

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「住宅ローン減税」を適用するための条件とは

そもそも住宅ローン減税はどのような条件下で利用できるのでしょうか。適用には一定の条件があり、新築住宅を取得等する場合の主な条件は以下の通りです。

 

① 自らが居住するための住宅であること

② 床面積が50m2以上

③ 合計所得金額が2,000万円以下

④ 住宅ローンの借入期間が10年以上であること

⑤ 引渡しまたは工事完了から6ヵ月以内に入居すること

⑥ 昭和57年以降に建築又は現行の耐震基準に適合していること   など

 

*2023年末までに建築確認を受けた新築住宅を取得等する場合、合計所得金額1,000万円以下に限り、床面積要件が40m2以上

参照:住宅ローン減税の概要について(令和4年度税制改正後)| 国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

 

実際の「控除額」はどのくらい?

では、住宅ローン減税の制度を利用すると、実際にどのくらいの控除が受けられるのでしょうか。計算方法としては、毎年、「年末時点の住宅ローン残高×0.7%」と「1年間の最大控除額」を算出し、そのうちいずれか低い金額を所得税や住民税から控除する方法になります。

 

出所:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)
【図表2】 出所:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)

 

住宅ローン減税の諸条件を満たした「省エネ基準適合住宅」に、昨年、2023年(令和5年)に入居したとします。住宅ローンで借入限度額4,000万円を利用し、その年の借入金の年末残高が3,000万円のとき、「年末時点の住宅ローン残高3,000万円×控除率0.7%=21万円」と「借入限度額4,000万円×控除率0.7%=28万円」を比較し、低い金額である21万円が控除可能額となります。しかし、この金額がこのまま控除されるわけではありません。

 

たとえば、年収500万円の人の場合、所得税率20%となりますので、本来納めるべき所得税は10万円です。控除額が本来納めるべき所得税を上回っているため、所得税は納付不要となります。所得税から控除しきれなかった11万円については、翌年の住民税から控除が可能となるのですが、この住民税の金額にも上限があるため、詳しい控除条件は居住地の市区町村に確認することをおすすめします。

 

住宅ローン減税…入居のタイミングに注意

将来、長期優良住宅をはじめとする省エネ基準適合住宅の購入と住宅ローン減税の利用を検討している人は、それぞれのメリット・デメリットを十分に把握する必要があります。また、住宅ローン減税の控除上限額は、住宅を購入したときではなく、「居住を開始したとき」で決まります。新築住宅を取得する場合、入居するタイミングが、今年1月以降は控除限度額も大きく変わってしまったためご注意ください。

 

一方、昨年12月14日公表された2024年税制改正大綱では、19歳未満の扶養親族を有する子育て世帯や、夫婦どちらかが39歳以下の世帯に対しては1年間、借入限度額の上限の引き下げを見送ることになった(「その他の住宅」について変更なし)ため、該当の方にとっては引き続き住宅購入の助けとなるでしょう。

 

今年1月から変わった住宅ローン減税の利用で後悔をしないためにも、一度、専門家に相談してみることをおすすめします。

 

 

 

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