若者を中心に「推し活」が広がりをみせています。実在のアイドルだけでなく、アニメやゲームの2次元キャラクターなど、推しの存在は現実世界にとどまりません。イベントに参加したり、グッズを集めたり、推しが登場するスマホゲームに熱中したり、推し活の形態はさまざまです。なかでも近年めざましい勢いで発展しているのが、2次元キャラクターが開催する3Dライブです。本記事では、数ある推し活のなかでも、年々進化を遂げている3Dライブに焦点を当てて紹介します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
「2次元キャラの推しに会いたい」を叶える3Dライブ! (※写真はイメージです/PIXTA)

3Dライブの普及

 

[図1]
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

これまでは2次元キャラクターがライブを行う場合、キャラクターの声を担当する声優が舞台に立ち、キャラクターが劇中で歌っている楽曲をパフォーマンスする形が一般的でした。

 

しかし2010年代後半から、2次元アイドルがデジタルデータとしての存在を維持したままに、3Dライブを行うという形が急速な広がりを見せました。3Dライブ技術の発展に伴って、近年は2次元キャラクターの動きが非常に滑らかになり、より一層リアルな存在感でキャラクターを観賞することができるようになりました。

 

現在では多くのコンテンツで、キャラクターたちが実際に歌って踊る3Dライブが開催されています。「推しキャラが歌って踊るところを直接見たい!」という、ファンであれば誰もが一度は抱く願望が、3Dライブの普及によって叶えられるようになりました。

 

3Dライブの仕組みと特徴

 

[図2]
(※写真はイメージです/PIXTA)
 

3Dライブと一言で言っても、実際に観たことがない方はイメージがつかないかもしれません。3Dライブとは、人物の動きをカメラやセンサーを用いてデジタル化し、キャラクターに投影するモーションキャプチャーの技術や、3Dモデリングなどの最新技術で制作されたライブのことです。

 

キャラクターの3Dデジタル映像をいくつものプロジェクターでステージ上に設置した透明大型スクリーンに投影し、立体的に見せることで、まるでキャラクターが現実に存在して動いているように演出します。キャラクターそのものが実際にステージ上で歌って踊っているかのように見えるため、臨場感溢れるライブ体験がかないます。

 

2次元キャラクターの3Dライブは通常のアーティストによるライブと同様、会場を埋め尽くすファンたちの熱気と歓声に包まれながら行われるため、まるで、推したちが目の前に実在しているかのような感覚を味わうことができます。

 

そのリアルな存在感は、これまで2次元と括られて、私たちが生きる世界と大きく切り離されてきた推しとの接触可能性さえも感じさせます。

 

筆者自身も推している、「あんさんぶるスターズ!!」の3Dライブを初めて観たときには、推しが見せる細やかな手足の動きや、歩き方、他のキャラクターとの掛け合いのリアルさなどに驚きました。目の前に彼らが実在し、手を伸ばせば触れられるのではないかと感じたことを、鮮明に覚えています。

 

大好きな2次元キャラクターのライブに足を運んだことのあるファンならば、誰もが感じる感覚なのではないでしょうか。3Dライブの普及は、推し活をする人々に多くの衝撃と感動をもたらしました。