世界での活躍が見込める「スタートアップ企業」への投資が、海外を中心に注目を集めています。そうした投資を支える仕組みである「株式投資型クラウドファンディング」について、その特徴や独特なメリットを、実例も交えながらご紹介します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
世界にはばたく未来のユニコーン企業を応援!英国・米国が牽引する海外「株式型クラウドファンディング」 (※写真はイメージです/PIXTA)

まとめ

このように、海外では株式型CFによって繋がった個人投資家を、単なる株主として捉えるのではなく、一緒に歩んでいく仲間として迎える考えが広がっています。昨今「ファンマーケティング」「コミュニティマーケティング」という言葉が注目されていますが、多くの企業が株式型CFを通じ、ユーザーコミュニティの形成を強化していることが伺えます。

 

また、近年は日本でも、若者によるオンライン投資が拡大傾向にあります。調査によると、若年層のオンライン証券口座の新規開設数は2020年に80万件でしたが、2021年には130万件以上に増加しており、わずか1年で63%も増加しています。(出所:季刊 個人金融 2021秋「新型コロナ禍の下での若年層のオンライン投資の拡大」)

 

新型コロナウイルスが感染拡大し、ステイホーム期間を経験したことで、消費支出の減少から貯蓄が増え、家のソファでスマホ片手に始めるという若者が増えたことが要因です。「投資」という実用に加えて、「応援」という体験の付加価値をもつ株式型CFは、お金の使いみちについて「消費行動によって得られるもの」だけでなく、「消費行動そのもの」を楽しむことを重視する若年層にもおすすめです。

※ 金額はそれぞれ、1ドル=130円、1ユーロ=140円、1ポンド=150円で計算

 

 

波多江 直彦

2006年にサイバーエージェントへ入社し、広告代理部門、スマホメディア、オークション事業立ち上げ、子会社役員等を経て、サイバーエージェント・ベンチャーズで投資事業に従事。その後XTech Venturesにてパートナーとして、VR・SaaS・モビリティ・HRTech・シェアリングエコノミー・サブスクリプションサービスなどへの投資実行を担当。ベンチャー投資の世界をプロだけでなく、個人投資家にも開かれたものにすべく、2018年7月にイークラウド株式会社を創業。慶應義塾大学法学部卒。