スタートアップ企業育成には、実は個人でも各地のスタートアップ企業を応援できる仕組みがあります。起業されて間もないスタートアップ企業に出資することを「エンジェル投資」と呼びますが、この「エンジェル投資」をフィンテックの力で広く利用しやすくした「株式投資型クラウドファンディング」という仕組みについてみていきましょう。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
クラウドファンディングでスタートアップ企業を応援!「エンジェル投資」の新しい形とは (※写真はイメージです/PIXTA)

反対に、イークラウドで株式型CFによる資金調達を実施したスタートアップ企業からは次のような反応がありました。

 

「社会的意義があり足の長い事業なので、個人投資家のほうが評価をして心意気を買ってくれると感じた」

「説得力のある成長カーブを描ける、次のラウンドのタイミングまでを支えてくれる手法だと思った」

「株式型CFを通じて得た株主から、大幅な事業進捗に繋がる提携先を紹介してもらえた。積極的に株主と連携したい」


こうした反応から、起業家が特に感じている株式型CFならではのメリットは、「中長期で応援してくれる株主を獲得できる」点であることが分かります。

 

特に研究開発系の事業をしているスタートアップ企業は、事業を収益化するまでに長い時間や多くの費用が必要なので、資金調達に課題を感じている場合が多くあります。

 

従来の資金調達方法では、スタートアップ企業にとっては厳しい一定の条件が課されることもあります。株式型CFでは長い目で成長を応援することを前提に、個人から資金を集められる仕組みなので、より自社の成長スピードに合った資金調達手段であると考えられています。

 

また、株式型CFは資金調達した後にもその面白さがあります。貴重な資金を投じた株主としては、その企業の成長が、自分の投資家としての成功に繋がります。そのため、前出のアンケートへの回答のひとつのように、株主側が次のビジネスに繋がる提携先などを紹介をしてくれたり、株主自身がインフルエンサーとなってサービスを広げてくれたりする可能性もあります。

 

すでに、海外ではこのようなファンマーケティングなどの目的から株式型CFを活用する例が増えてきています。

「1億円の壁」その先に見える社会

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

 

ここまで株式型CFの基本的な説明や事例について紹介してきました。米国・英国ではすでに、株式型CFとしては大型の資金調達事例も多く出ており、日本でもさらなる盛り上がりが期待できそうです。