融資基準が厳格化…「不動産投資」と「ローン」を取り巻く現況

コロナ禍で開催されたオリンピック・パラリンピックの閉会を経てもなお、安定した地価を保ち続ける東京。また万博の開催を数年後に控えた大阪にも投資家の熱い注目が注がれるなど、国内大都市の不動産投資市場は、好調をキープし続けています。本記事では、東証二部上場企業である総合金融グループ「Jトラスト株式会社」のグループ会社として、不動産事業を展開する「日本ファンディング株式会社」営業部次長の小林常広氏が、プロの視点から見た不動産投資の現況から、「買い増し」で投資基盤を強固にするためのコツまで解説していきます。

コロナより怖い「将来不安」が、投資家を動かす

新型コロナウイルスの感染拡大は長期化の一途を辿り、各方面に甚大な悪影響を及ぼしています。不動産投資の現場に身を置く小林氏は、現況について次のように語っています。

 

小林「新型コロナウイルスの影響で、不動産投資市場の勢いが衰えたという印象はありませんね。弊社のグループ会社で『マネーオンライン』という金融メディアを運営しており、そちら経由で投資家の方々とお話をさせていただく機会が多いのですが、皆さん、現在も非常に意欲的です。常にアンテナを張り、より良い情報を探していらっしゃる方が多いという印象を受けますね。

 

現代はスマートフォンひとつあれば、さまざまな情報をキャッチし、学んでいくことが可能な時代です。『知識を蓄え、より良い物件購入に繋げていきたい』という想いが、私どもにも伝わってきています」

 

小林氏は、投資家は「新型コロナウイルス」よりも、「国内の少子高齢化に伴う将来不安」を気にかけているのではないか、と語ります。

 

小林「日本の少子高齢化が進むスピードは世界最速で、今後は経済の縮小だけでなく、社会保険料や税金の増加など、個人の費用負担増大が大いに懸念されます。現在富裕層に属している人でも、一寸先の闇に備えておかなくてはならないのです。

 

また、高齢者の投資家が増えた印象がありますね。『現金を不動産に代え、相続税対策を図っておく』という課題が現実味を帯び、重い腰を上げた方々からの相談が数多く寄せられています。それも高齢化社会が顕在化してきたからこその兆候だと思います」

 

下落傾向が見られる株価や変動率の高いFXなどに比べ、定期的な家賃収入が見込める不動産は「堅実な投資法」といえます。地方の物件は人口減による空室リスク等と引き換えに、ハイリターンを見込むことができますし、大都市の優良物件はハイリターンの見込みは少なくなりますが、その代わり安定感は高くなります。

 

以上のことから、現場で日々相場の動向を目の当たりにしている小林氏は「まだまだこれからも、市場は衰えない」と見込んでいます。

投資家を躊躇させる「融資基準の厳格化」

「不動産投資の市場自体は活況を呈しているが、近年は別の問題が浮上している」と、小林氏は指摘します。物件購入の際、キャッシュでの一括払いが可能な方は少数で、投資家の多くが金融機関のローンを活用しますが、近年、審査基準が厳格化しているというのです。

 

小林「2018年に『かぼちゃの馬車事件』と、金融機関の不正融資問題が立て続けに発生しました。いずれも不利益を被ったのはオーナーです。こうした事件の再発を防ぐため、投資目的の不動産購入資金を融資するローンの審査基準が、厳しさを増したのです」

 

「かぼちゃの馬車事件」は、シェアハウスとそのサブリース契約を販売していた不動産会社の破綻。金融機関の不正融資問題は投資用不動産の購入を希望しているオーナーに、地方銀行が不適切な融資を行っていた事件です。

 

これらの渦中で数億円の負債を負い、返済不能となったオーナーも少なくないので、各金融機関が審査基準のハードルを高めたのも当然といえるでしょう。

 

小林「近年、『物件価格の2〜3割にあたる自己資金を用意しなくてはならない』という条件は当然のものとなっています。さらに『融資限度額は、年収の10倍以下』という厳格な基準を設ける金融機関が増加しているため、買い増しを検討している投資家から、『ローンさえ付けば買いたいけど……』という声が挙がるようになりましたね」

 

では、審査基準が厳格化するなか、日本ファンディングが不動産事業を推し進めている背景には、どんな理由があるのでしょうか。

 

小林「弊社は、東証二部上場企業の総合金融グループ『Jトラスト株式会社』のグループ会社です。また不動産購入資金などの資金調達にご活用可能な『事業者向け不動産担保ローン』を提供する『株式会社日本保証』は、弊社の親会社です。このためグループ全体に不動産投資とその融資に関する実績・ノウハウが蓄積されていました。そこで弊社は、金融機関の融資状況が厳しくなった時代に、敢えてアパート事業をスタートさせたのです」

 

不動産事業をスタートさせると同時に、IoTシステムを標準搭載した新築アパートブランド『ROBOT HOUSE』をリリースし、大きな話題を呼んだ日本ファンディング。土地の仕入れから物件の管理事業までをトータルで請け負う、包括的なサービスの基盤とは?

 

また「融資基準の厳格化」という逆風のなかで、なぜ同社は、不動産投資とその融資について、満足度の高いサービスを提供し続けられているのでしょうか。

 

次回は日本ファンディングが展開する不動産事業のサービス内容詳細について、より詳しいお話を伺っていきます。

日本ファンディング株式会社 営業部 次長

2010年 Jトラスト(東証二部上場)100%子会社である株式会社日本保証に入社。
不動産担保ローンやアパートローンなど不動産に関する債務保証の営業を経て、不動産事業に注力している日本ファンディング株式会社を兼任。

著者紹介

連載コロナ禍でも活況「不動産投資」で成功する秘訣とは?

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