建設進む「エジプト・新首都」世紀のプロジェクトの現場を往く

エジプト・カイロ近郊で進む、新首都の建設。現在のカイロ圏には2,000万人を超える人口が集まっており、人口は過密状態。これを解消するための新首都は、東京23区に匹敵する巨大な荒野を開発することによって新たに生み出される。砂漠に突如として浮かびあがった、あのドバイのように。スマートシティ化、1,000mを越えるタワー、一極集中する行政区……世紀のビッグプロジェクトといっても過言ではない、その現場をレポートする。

息を飲む開発現場…現代のピラミッドのごとく、とてつもなく巨大な規模

カイロの街並みや、ギザのピラミッド、一通りカイロ圏を見て回り、いよいよ新首都へと足を向ける。4車線もあろうかという巨大なスエズロードを走ること、だいたいカイロから1時間弱といったところだろうか。巨大な門が見えた。新首都の入り口にはゲートが設置されるのだという。

 

まだ道路は至るところで未舗装だが、ほとんど完成しているという行政地区のできあがりは、均質で素晴らしいものだった。各省庁や、裁判所などが秩序だって建てられており、すでに政府の人間は一部この新首都の省庁に通っていて、機能し始めている。中央銀行をはじめとしたファイナンス関係のエリアもだいぶ進捗が早い。

 

建設が続くニューキャピタル。すでに行政区は機能している

 

少し車を走らせると、明らかにあれがアイコニックタワーだろう、というタワーが目に入ってきた。中国資本が投下され、急速に工事が進められているようで、すでにアイコニックな風格がある。荒野の中にたたずむアイコニックタワーも、そろそろ見納めになるのかもしれない。アイコニックタワーの周辺には、目視できるだけで10棟の超高層ビルがそびえる。90年代のドバイだ、と説明されたら信じる人は多そうだ。

 

いまは一部の施設が動いており、シーシー大統領の演説などにも使われるアルマサホテルもその一つだ。周囲はまだ荒野だが、エジプトの新首都を代表する超ハイグレードなホテルは、まるで一つの居住地のよう。贅を尽くされた作りで、付帯するサービスや施設、レストランなども非常にレベルが高い。

 

 

砂漠の真ん中だということを忘れるほど洗練された空間

 

ここ新首都で多くの開発案件を手がけているディベロッパー、New Plan DevelopmentsのMoheb Mahfouz氏は、こう新首都の住民を想定する。

 

「現在ある20の省庁がカイロから移動し、政府関係者がまずは移住するでしょう。新行政都市には、医療センターや病院、スポーツエリアとしてジムやスタジアムなど、国際的な大学も開設されます。医療エリアでは多くの医療関係者が必要になりますし、アカデミックエリアでは多くの生徒や先生が移住してくるでしょう。

 

エジプトの人々は一般的にスポーツが好きなので、スポーツエリアがあるのも魅力です。さらに、エジプトの中級から上級にあたる人々が移住してくると考え、平等でクリーンな街なので多くの外国人も住みやすく、退職した方々もリラックスして過ごせると考えています。多くのイベントや博覧会も行われると思うので、世界中の人々が訪れ、エジプトの経済にも利益が大きいと思います」

投資対象としての、新首都におけるレジデンス

New Plan Developmentsが進めているのは、オフィス物件やレジデンスである。彼らが扱うオフィス「イレブン」からの眺めは、まさに開発中の新首都を一望できるものだった。ダウンタウンに位置するイレブンの周辺には、建設中のモノレールが街を貫いていたり、幾重にもクレーンが連なっている。新首都を造成している風景として、もっとも納得のいくものだった。

 

建設中のビルディングから建設進む新首都を眺める

 

逆に居住区にあるレジデンスは、そこまで建設が大きく進んでいるわけではない。いまは更地の場所に予定されているのは、あのランボルギーニが手がけるレジデンス。トニーノ・ランボルギーニによる家具がつき、家事などすべてがフルサービスになるという。これらは、ディプロマティックエリア、つまり大使館が集う地域からほど近く、彼らが住居として利用する可能性が非常に高い。

 

New Plan Developments モンヘド・マッフーズ氏
New Plan Developments Moheb Mahfouz氏

「現在の購入者は海外に住んでいるエジプト人が多いです。加えて、海外の投資家たちですね。たとえば『トニーノ・ランボルギーニ』は40人以上の日本人が購入しています。さらに、ヨーロッパ人も高い頻度で新行政都市の保証等に注目していますね。新都市は政府にとってとても大きな計画なので、投資先としても安全なのです。

 

この新首都はアフリカの中でも一番人気の投資先になるでしょう。あと10年ほどでROIは200~300%が見込まれており、海外の投資家たちはこの将来を見据えた人々が行動をしている。誰でも使用できるフリーゾーンや税の削減、移動のしやすさなど、エジプト政府の支援も大きく、機会として良いと思います。

 

新都市へ投資する利点は、まず、立地です。スエズから60km、オールドカイロからも60kmの位置にあります。新しい街のアルゲララには国際マリーナが設置され、ヨーロッパから船で訪れることもできます。交通機関についても、新首都の中にはモノレールが通り、オールドカイロと新首都を結びます。

 

また人口の急増は不動産にとってとても重要なポイントです。エジプトでの住宅マーケットは、需要が供給を大きく上回っています。22年前の人口は6,900万人でしたが、現在は1億500万人です。新首都で建設されているたくさんの集合住宅や戸建て住宅は、売買のためと思われている人もいますが、実際は人口の急増を解決するためです。需要が確実に見込まれていますから、投資家にとっても良い機会になりますね。建設中の建物に住みたいと考えている人々は多様です。現時点では転売は起こりませんし、起こるとしたら50%から60%高い値段になるでしょう」

 

 

New Plan Developments社が予定しているレジデンスのイメージ

 

2021年、実はGAFAの一角である米アマゾンが、エジプトで集配業務を開始した。アフリカにおける新市場開拓を、エジプトからはじめたということである。発展途上のエジプトにおいて、インターネットによる宅配サービスの普及には疑問だという声も聞こえてくる。しかし現状のエジプトを細かく分析し、攻め時だと意志決定したアマゾンの姿を見ると、10年後の新首都がどうなっているかは想像に難くないだろう。

 

新首都のシンボル、アイコニックタワー

 

毎年のように目まぐるしく変化する税制や規制の中でそれに対応すべく、世界中の不動産、保険、金融商品を取り扱い国際税務のアドバイス、オフショア銀行の口座開設サポート、オフショア法人の開設サポート、資産管理に関する様々なことをサポートする。

Beograd Consulting Group(ベオグラード コンサルティング グループ):https://beograd-consulting.com/

著者紹介

連載首都移転で沸く「エジプト」緊急レポート

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