ピラミッドにスフィンクス、アブシンベル神殿……2,000年以上前の古代遺跡が残る観光国というイメージの強いエジプトに、世界の投資家は熱い視線を送っている。なぜ、いまエジプトなのか? 日本人には知られていない、投資対象としてのエジプトの可能性について、資産管理のサポートなどを行うBeograd Consulting Group(ベオグラード コンサルティング グループ)埜嵜雅治CEOに話を聞いた。

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「観光」だけでは「エジプト」を語ることはできない

――資産管理サポートを行う御社はこれまで、旧ソ連の構成国のひとつであるジョージアや、アフリカのナイジェリアと、日本人には馴染みの少ない国に注目してきました。今回のエジプトも「観光」というイメージが強く、投資対象としての印象は薄い国です。

 

埜嵜:私も、エジプトについて調査を始めるまでは観光国というイメージが強く、ピラミッドなどの古代遺跡の印象しかありませんでした。しかしエジプトのGDPに対して「観光業」が占める割合は16%ほど。観光産業は外貨を稼ぐ主要産業ではありますが、イメージほど多くはありません。

 

GDPの30%強、観光業の倍近くを占めるのが「製造業」で、特に盛んなのが「自動車産業」です。現在EUとエジプトの間では自動車関税が撤廃され、多くの自動車メーカーがエジプトに工場を設置し、完成車を輸出しています。欧州のメーカーだけでなく、アメリカ、日本でいえばトヨタもエジプトに工場を設け、その数は現在84社にものぼります。さらに関連するサプライヤーなどの工場も立地し、エジプト経済を支えています。

 

またエジプトはナイジェリアに次ぎ、アフリカ第2の自動車市場を誇ります。今後、アフリカで自動車を売ることを考えても、重要視されているのです。

 

さらに「製造業」のほかにも「農業」も盛んです。地図で見ると、南北に帯状で緑の箇所がありますが、これはナイル川沿いに広がる農業地帯で、小麦やとうもろこし、コメなどを栽培、輸出しています。エジプトのGDPのうち11%は「農業」が占めているのです。

 

ナイル川沿いに広がる農業地帯
ナイル川沿いに広がる農業地帯

 

製造業が盛んで、観光や農業も経済を支える重要な産業……エジプトの産業構造は、どこか日本に似ているのかもしれません。

 

地中海を隔てて欧州が広がる…エジプトは地理的にも優位
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危機を脱し成長曲線に乗る「エジプト」

――エジプトに観光以外の発展した側面があるというのは新しい発見です。一方でエジプトというと、「アラブの春」以降、混乱しているイメージが根強く残っています。2011年、ムバーラク大統領の独裁政権に終止符が打たれたのち、民主的に誕生した政権も、クーデターによりわずか1年で幕を下ろした……実際、現在のエジプトはどのような状況なのでしょうか?

 

埜嵜:確かに、2011年の民主化運動以降、エジプトでは何年も政情不安が続きました。また2017年にはインフレ率が30%前後になり、数百万人が貧困に陥ったといわれています。

 

このような状況を引き起こした主な要因は2つ。「補助金の削減」と「変動相場への移行」です。

 

エジプトでは第二次大戦以降、燃料や食品に対して補助金を出して、市場実勢価格よりはるかに安い水準で提供されていました。その補助金を削減する方針を打ち出したのです。また2016年11月にエジプトポンドを変動相場制に移行しました。それによってレートは半値近くまで暴落したのです。

 

このような政策を打ち出したのは、IMF(国際通貨基金)から120億ドルの緊急融資を受けるためでした。当時エジプトは、民主化運動以降の政情不安により、主要産業である観光業が大きな打撃を受け外貨が不足。不況に陥っていました。この状況を打破するための融資だったのですが、その条件として「補助金の削減」と「変動相場への移行」を迫られた、というわけです。

 

ただ、ここからエジプト経済は急速に回復していきました。インフレ率も急激に改善し、2020年は5.7%。現在はコロナ禍の影響でエジプト経済も打撃を受けていますが、2018年、2019年に関しては、経済成長率5%を達成しています。

 

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圧倒的「不動産不足」…だから世界が注目する

――いまはコロナ禍で世界中が混乱していますが、それ以前のエジプトは安定を取り戻していたというわけですね。そのようななか、投資対象として注目されていると聞きました。

 

埜嵜:アフリカには54の国があり東西南北、4つのエリアで大きな影響力をもつ国があります。エジプトは北アフリカで大きな影響力を持っている国です。この影響力の背景にあるのが、人口とGDPです。

 

エジプトの人口は現在1億人ほどで、2050年には1.5億人に達し、アフリカではナイジェリアに次いで2位、世界では9位の人口規模になると予測されています。また現在、アフリカのGDPの第1位はナイジェリアで、それに次ぐのはエジプトです。2019年までは南アフリカが第2位だったのですが、昨年、エジプトは南アフリカを抜いて2位になりました。数の優位性を考えると、今後アフリカを引っ張っていくのはナイジェリアとエジプトと言えるでしょう。

 

そのような状況下で、エジプトでは不動産がまったく足りていません。さらに今後30年で、東京の5倍ほどの人口が増えるわけですから、それだけの不動産を用意する必要がある……いかにインパクトの大きな話か、お分かりでしょう。

 

またイスラム圏でいえばドバイの不動産が人気ですが、エジプト不動産はまったく毛色が違います。ドバイの人口は300万人強。どんどん不動産は増えていますが、購入するのは外国人がメインで、供給過多になっています。

 

それに対してエジプトの場合、不動産を支えるのは内需。これから人口が増えていき、ニーズがさらに高まることは確実です。不動産投資を考えた際、将来性、安定性、ともに高いと、世界から注目を集めているわけです。

 

エジプトの首都、カイロ。1000万人弱の人口を抱え、不動産不足が顕著
エジプトの首都、カイロ。首都圏では2500万人の人口を抱え、不動産不足が顕著となっている

 

――人口増加、不動産不足…圧倒的需給ギャップにより、世界の不動産投資家から注目が集まるエジプト。次回はそのエジプトで進む、首都移転というビッグプロジェクトについて迫っていきます。

 

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