日本保証が貸付先の債務を「保証」
2019年5月、SAMURAI証券は、これまでにない「貸付型クラウドファンディング」商品である「SAF日本保証不動産ローンファンド1号」を販売した。これは、「貸付型クラウドファンディング」の最大のリスクともいえる、貸付先のデフォルトによる元本割れリスクを低減させる保証サービスを盛り込んだ商品である。
2019年4月24日、SAMURAI証券の親会社であるSAMURAI & J PARTNERSは、金融事業などを展開するJトラストおよび、その子会社で金融機関向けの保証事業などを展開する日本保証と業務提携を開始した。「SAF日本保証不動産ローンファンド1号」は、その日本保証が貸付先の債務を保証するという、いままでにないスキームによって組成されたファンドである。
具体的には、SAMURAI ASSET FINANCEが有する貸付債権に対して、返済遅延や返済不能などが発生した場合は、日本保証がそれを肩代わりするという仕組みだ。
日本保証が、営業者であるSAMURAI ASSET FINANCEに対して、元本・利息の返済を保証するかたちになるので、その分配を受ける投資家が損失を被ることはないといえるだろう。つまり、デフォルトによる元本割れリスクを低減できるだけでなく、比較的予定どおりの利回りが狙えるのである。
ちなみに「SAF日本保証不動産ローンファンド1号」の募集上限金額は1,300万円、目標利回りは年5%(税引き前)、運用期間は約11.5ヵ月となっている。
「保証会社による保証付きであるにもかかわらず、比較的高い利回りを実現できたおかげで、予想以上の反響がありました。募集開始からわずか40分ほどで上限の1,300万円に達してしまいました」と久保氏は振り返る。
元本割れリスクを低減しつつ、効率よく資金が運用できるということで、富裕層をはじめとする多くの投資家が関心をもったようだ。インターネットで簡単に申し込めて、1万円から出資できるという手軽さも魅力であった。
2号ファンドを近日発表!事前に「会員登録」を
「SAF日本保証不動産ローンファンド1号」の債務保証を行った日本保証は、全国の銀行や信用金庫などの金融機関と提携し、それらの金融機関が扱っている個人や法人向けローンの債務を保証するビジネスを展開している。海外不動産担保ローンを利用している人なら、その名をよく知っているかもしれない。
「『日本保証』という社名が付いているファンドであることから、安心感を抱いて申し込まれた投資家の方も多いのではないかと思います」と久保氏は語る。
一方、澤田氏は「債務保証そのものに対する安心感だけでなく、金融機関の個人向けローン事業において、約1,700万人もの与信や審査、債権回収などのノウハウを蓄積してきた日本保証の実績を高く評価する投資家の方も多かったのではないでしょうか」と述べる。
同社が金融機関に提供している高度なノウハウや、保証サービスがそのまま受けられるのなら、リスクは極めて低いと評価されたようだ。好評を受けて、SAMURAI証券は、日本保証による保証付きファンドの第2弾を2019年6月24日にリリースする。
SAMURAI証券の「貸付型クラウドファンディング」を購入するには、事前に同社が運営するクラウドファンディングサイト「SAMURAI」の会員登録を行っておくことが必要だ。申し込みはサイト上で完結するが、本人確認書類の審査などを経て、承認されるまでには数日かかるので、事前に登録を済ませておけば、第2弾の保証案件が出た際もスムーズにアクセスすることができるだろう。
澤田氏は最後に、「これからも投資家の皆さまのニーズにお応えしながら、当社ならではの魅力ある金融商品を提供していきます。ぜひご期待ください」と語った。実際にどんな商品が出てくるのか、注目に値するといえそうだ。