国内の不動産投資市場が不透明感を増す中、国が定めたFIT(固定価格買取制度)のもと、長期にわたりキャッシュフローを生み出す投資機会として知られてきた「太陽光発電投資」の安定性が再び注目されている。本企画では、土地の仕入れから運営まで一貫したサービス体制で国内最大級の案件数を取り扱う、株式会社メディオテック営業本部営業二部部長・弓削雄一氏に「太陽光発電投資」の最新事情等を伺った。後編のテーマは、20年間「安定運用」するためのポイントである。

リスク要因のひとつ「地震」に対する万全の備えとは?

太陽光発電投資のリスクとして想定されるのは、まず機材の故障リスクがあげられます。一定期間内の自然故障であればメーカー保証で修理・交換が可能なので、その業者が何年の保証をつけているのか、機材ごとに確認しましょう。保証期間を超えている場合は、自費で修理・交換をしなければなりません。これに対しては、売電収入のうちの一定金額を、賃貸不動産における「修繕積立金」のような感じで、積み立てして備えておくことをおすすめしています。なお、弊社では、太陽光パネルは25年、パワーコンディショナーは10年の保証期間を設けています。

 

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次に考えられるのは災害リスクです。これに関しては、まず立地の確認が必須です。西日本に大きな被害をもたらした2018年7月の豪雨では、山の斜面に設置された太陽光パネルが崩れて落ちている様子が報道されました。いくら強固に設置をしても、地面が崩れ落ちてしまえば、なすすべがありません。基本的に、平地に敷設された物件を選ぶのがベストです

 

施工例・構造上地震の影響を受けにくい
施工例・構造上地震の影響を受けにくい

また、多くの人が心配するのが地震です。太陽光発電装置は構造がシンプルで高さがないため、平地に敷設されて正常な施工がなされていれば、地震に対してはかなりの耐久性を持っています。それを証明したのが、2016年の熊本地震です。実は、熊本地震で最大震度7を記録した熊本県益城町に、私たちが施工・販売した太陽光発電施設があるのです。最大震度7の地震に直撃されても、私たちの太陽光発電設備には、ほとんど被害が出ませんでした。一報を聞いた時は驚きましたが、太陽光発電施設の耐震性が証明されたような形になりました。

 

なお、弊社で販売している物件はすべて、軽微な自然災害や盗難に対する補償がセットされています(地震、津波、火山噴火は補償対象外)。

 

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不動産投資と比較した「太陽光発電投資のデメリット」

主に不動産投資との比較という観点から、太陽光発電投資のデメリットを見てみましょう。

 

賃貸不動産投資の場合、オーナーが努力して入居者集めをすることで空室率を下げたり、リノベーションによって家賃を上げられたりする可能性もあります。しかし、買い取り価格固定の太陽光発電投資では、そのようなアップサイドの可能性はありません。「自分で手間ひまをかけ、いろいろ工夫して収益性を高めたい」という人にとっては面白みが少ないかもしれません。基本的に、「面倒なことはせずに安定したキャッシュを得たい」という人に向いているのが太陽光発電投資です

 

また、物件を売却してキャピタルゲインが得られる可能性も、ほぼありません。そもそも、現状では太陽光発電の中古物件が少ないため、中古市場がまだきちんとは形成されていません。投資をした後に、「急にまとまった現金が必要になったから売りたい」といった場合は、販売した業者に買い取ってもらうのが一般的です。もちろん、弊社でも喜んで買い取りに応じています。

 

さらに、融資環境がよい時代の不動産投資で見られた、残債の減った物件を担保として新しい融資を受けて物件を増やしていく、いわゆる「レバレッジ」をかけた投資で「メガ大家さん」となるようなことも、太陽光発電投資では難しい状況です。

 

 

20年後のFIT(固定価格買取制度)はどうなるのか?

融資を受けて投資をした場合の実際のキャッシュフローですが、ざっくりいって、融資返済が終わるまでの15年間は、わずかなプラスで、16~20年目に、売電収入の大半が残るようなイメージです。すると、20年後のFIT終了時の最終的な手残りは、おそらく1000万円弱になると思われます。

 

収支予測シミュレーション(20年)
[図表1]収支予測シミュレーション(20年)

 

しかし、それで終わりではありません。投資から20年経って固定価格での買い取りが終了した後、施設を売却することもできますし、売電事業を続けることもできます。ただし、売電事業を続ける場合は、自由価格、つまりそのときの「相場」価格での販売になります。2012年以降、毎年FIT価格が引き下げられてきたのを見て、FITが終了して完全自由価格になったら、かなり売電価格が下がると考える人がいるかもしれません。

 

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当然ですが、20年も先の世界を確実に予測することはできません。しかし、再生可能エネルギーの需要が現在より減ることは、ほぼ考えられないと思います。たとえば、「RE100」という国際イニシアチブがあります。これは、「Renewable Energy 100%」の略で、地球環境の持続的な発展を考慮して、企業が事業に利用するエネルギーを100%、再生可能エネルギーによってまかなうことを目標としたプロジェクトです。アップルやグーグル、BMW、GM、NIKE、バンク・オブ・アメリカ、日本企業ではソニー、富士通、積水ハウスなど、世界中の名だたる大企業が参加しており、年々広がりを見せています。

 

株式会社メディオテック 営業部営業二部部長 弓削 雄一氏
株式会社メディオテック
営業部営業二部部長
弓削 雄一氏

一方で、日本国内の発電量における再生可能エネルギーの割合は全体の15%程度しかありません。そのため、RE100のような取り組みが国内でさらに広がり、再生可能エネルギーへの需要が増加した場合、一種のプレミアムとして通常の電力よりも高い料金でも優先的に購入する企業が増える可能性が高くなります。いまでも、通常よりもやや高い価格の再生コピー用紙を購入する企業が多いのと同様です。

 

弊社では、再生可能エネルギーによる発電の価値が高まる未来を見据えて、2017年に「ふくのしま電力」という新電力会社を立ち上げました。さらに、FIT後も視野に入れ、最先端IT技術を駆使した次世代新電力ダイレクトパワーがこの春から始動します。個人向けには、ご家庭で使わなかった余剰電力を、JEPX(日本卸電力取引所)の卸価格の変動と連動させた上で、なるべく卸値に近い価格での高値買い取りサービスなども用意しています。

 

ふくのしま電力や次世代新電力ダイレクトパワーを通じて、弊社で太陽光発電投資に取り組んだお客様が、FIT後に発電設備を売るにしろ、自由価格での売電を続けるにしろ、何らかの形でサポートをする事業の仕組みを策定中です。

 

現状の太陽光発電投資が「FITありき」で成り立っていることは間違いありません。だからといって、将来の「FIT後」を考えなくてよいわけではありません。これからは、投資家の皆さんに、FITの恩恵を十分に享受してもらいつつ、さらにFIT後も見据えた投資価値を提供できるかどうかが、太陽光発電投資事業者選びのポイントになってくるのではないでしょうか。

 

 

取材・文/椎原よしき 撮影/永井浩(人物)
※本インタビューは、2019年3月14日に収録したものです。

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