チンギスハーン騎馬像(ウランバートル郊外チョンジンボルドクの丘)

富裕層に人気の高い海外不動産投資だが、最近注目を集めているのが「モンゴル」の不動産だ。本連載では、ユニークな小口商品も含めてモンゴル不動産物件を開発・販売している株式会社インベスコア代表の小林・リヒャルド・ワルター氏と、アジア諸国を中心とした投資不動産物件を数多く紹介するポータルサイトを運営し、クロスボーダーでの不動産取引のサポートを行っている株式会社BEYOND BORDERS代表取締役・遠藤忠義氏にお話を伺う。後編のテーマは、モンゴル不動産投資の「安心・安全性」を高める戦略である。

ウランバートルの「超一等地」に建てられる理由

―― 前回、モンゴルの中でも最高の立地に、世界水準で見て一流のサービスアパートメントを建てるという企画があり、遠藤社長が現地に赴き、自らの目でその場所を確認してきたという話をお聞きしました。今回は、その物件について、もう少し詳しくお伺いできればと思います。

 

株式会社BEYOND BORDERS 代表取締役 遠藤忠義氏
株式会社BEYOND BORDERS
代表取締役 遠藤忠義氏

遠藤 今回、現地の物件を見に行って、モンゴルの中心とも言える国会前広場から近く、シャングリラホテルやシャングリラオフィス、ショッピングモールがある街区のすぐ隣だったので本当に驚きました。東京でいえば、丸の内のようなエリアで、誰が見ても一目で超一等地だとわかります。そもそもインベスコアさんは、なぜこのような立地にサービスアパートメントを開発することができたのでしょうか。

 

小林 私たちは、これまで、ウランバートルでオフィスビルを2棟開発・発売してきましたが、住居用ビルの開発は今回が初めてです。なぜこの立地での開発が可能だったかといいますと、私たちがモンゴルでナンバー2の金融事業者(ノンバンク)のグループ企業だからです。

 

モンゴルでは、2012年から16年までの民主党政権時代に外資規制を強化したため、経済が停滞していました。前回少し触れた、建設が中断されてしまった開発プロジェクトが発生したのも、主にこの時代です。私たちの親会社であるモンゴルのインベスコア社は、その時期に、今から見ればかなり割安な価格でこの土地を入手することができたのです。

 

遠藤 日本でも、リーマンショック後の「不動産バーゲンセール状態」のとき、キャッシュに余裕があって都心の土地を買えた投資家は大成功をしていますが、それと同じようなものですね。ところで、これだけの一等地だと、中間層の人たちが買ったり住んだりするイメージではないと思いますが、どういう方が購入されたり、住まわれたりするのでしょうか?

 

小林 ウランバートルは急速な発展に伴って交通渋滞が激しくなっているため、職住近接が好まれます。物件周辺には各国の大使館や海外からの進出企業などがあり、それらの駐在員が借り上げてくれると思われます。また購入者は、日本を含む海外の投資家に加え、今回はモンゴル国内の富裕層への販売も想定しています。

 

ウランバートルの急速な発展に住居の供給が追い付いていない?
ウランバートル中心部から離れた場所でも都市化が進む
(撮影・SEKAI PROPERTY編集部)

「所有権」のトラブルを防ぐ工夫とは?

―― 日本の投資家がモンゴル不動産を購入する場合の方法や、所有権などについてはどうなっているのでしょうか?

 

株式会社インベスコア代表取締役 小林・リヒャルド・ワルター氏
株式会社インベスコア代表取締役
小林・リヒャルド・ワルター氏

小林 今回、一室を購入する通常の方法(ユニット買い)のほかに、1口100万円で購入できる「小口投資」というスキームをご用意しました。まず、一室を1ユニットとしてご購入いただくユニット買いの場合、当然ながら所有権は投資家のものとなり、投資家のお名前で登記されます。モンゴルの不動産登記システムは進んでいて、オンラインで常に正確な登記情報を確認できます。したがって、二重登記や、知らぬ間に抵当権が付いているといった事態は完全に防げます。なお、ユニット買いの場合、サブリース(利回り6%)をご用意しており、客付けや管理なども弊社グループの現地不動産会社が行います。

 

一方小口投資のほうですが、こちらは共有持ち分をご購入いただくイメージです。そして、物件価格の上昇が20%を超えた時点で自動的に売却する「短期譲渡」と、5年間所有後に物件価格の上昇が50%を超えた時点で自動的に売却する「長期譲渡」の2つのシステムからお好きなほうをお選びいただけます。小口投資の場合は、売却まで5%の利回りで家賃保証を行います。

 

遠藤 私たちのお客様に対しても、海外不動産投資、とくに新興国への投資の場合、いきなり高額物件を購入することはお勧めしません。はじめは少額の物件を買って経験を積まれることをお勧めしています。その意味で、「小口投資」の仕組みを用意しているのは、とても良いと感じました。

 

―― 新興国投資の場合、現地通貨の為替リスクや、国際送金の手間なども気になりますが。

 

小林 モンゴルは人口も少ない国なので、流通量の少ない現地通貨トゥグルグは、正直ボラティリティ(価格変動の度合い)が大きいほうだと思います。しかし、今回の物件については、高属性のテナントを想定していることもあり、家賃は米ドルで設定し、支払っていただきます。もちろん、それを円に替えるならば、ドル/円の為替リスクは生じますが、トゥグルグの変動に関するリスクはありません。

 

また、私たちが現地での銀行口座開設のサポートもしますので、ご自身の口座を作っていただき、そこに家賃が直接入金されることになります。送金システムも整備されており、専用スマホアプリなどで指定すれば、翌営業日には何千ドルでも着金させることが可能です。

 

遠藤 一般的に、新興国で非居住者が現地銀行の口座を開設するのは、ハードルが高いですから、それがスムーズにできることも、今回の案件の大きなメリットだと思います。私も、先日現地に行ったときに銀行口座を開設してきましたが、拍子抜けするほど簡単でした。

 

―― 国際分散投資の一環として、モンゴル不動産投資を組み入れる意味は大きいと思いますが、例えば他の国と比較した場合のデメリットなどはあるでしょうか?

 

遠藤 前回も少し触れましたが、リゾート地ではないので日本人が遊びに行ったり、住んだりするには魅力が少ないかもしれません。東南アジアの物件なら、たとえば、「思ったより賃貸需要が弱かったら、セカンドハウスとして自分たちで使えばいいや」という感覚で投資される方も多いのです。あるいは、リタイア後の現地居住やお子様の留学用途などを考える方もいらっしゃいます。

 

一方、モンゴルの場合は、そういった考えには、正直適していないのかなと思います。しかし逆に言えば、デメリットはそれくらいでしょう。皆さんがイメージするよりはるかに政権も安定していて、いわゆる地政学リスクも高くない。ジャッジする立場として、これまでたくさんのアジア圏の物件を見ていきましたが、最近では一番のおススメといって良いほど、今回のモンゴル不動産の物件は魅力的ですね。

 

取材・文/椎原芳貴 撮影(人物)/永井浩
※本インタビューは、2018年11月12日に収録したものです。