八十歳を超えて「企業経営」と「作家活動」を続ける理由

今回は、八十歳を超えて企業経営と作家活動を続ける、ある社長の例を紹介します。※本連載では、毎回ひとつの事例をあげ、今なぜ社長作家が激増しているのか、そして、本を出すことでどんなドラマが生まれるのかを探っていきます。

波乱万丈の人生・・・自分の経験を伝えたい

三上隆氏は八十歳を超え、企業経営の傍ら、作家活動を続けている。その人生は、根源的な問いと常に向き合いながら、自らの“信念”と“誇り”を守り貫くための戦いの連続であったと語る。

 

東京陸軍幼年学校から神学校、そして警察予備隊への入隊。除隊後に京都大学に進み、在学中に京大滝川総長暴行事件に関わり自主退学。その後、日本社会党に入党し、離党後は、江田五月と菅直人とともに社会民主連合を結成、田英夫と楢崎弥之助が参加し社会民主連合、そしてめまぐるしい政界再編のなかで日本新党、新党さきがけ、民主党に合流。戦後日本という新たな国づくりと、国を動かす政治に関わりながら生きている。

 

経営者としても波乱万丈な人生を歩んできた。それまで順調だった事業も2002年にアメリカの金融ファンドからの破産申し立てを受けて倒産。時を同じくして最愛の夫人が死去し、独りぼっちになった。

 

この時、絶望的な気持ちを味わったが、過去の自分を冷静に振り返られるようになり、その人生経験をフィクション小説として出版することを決意したという。

 

現在では経営者として再起し、京都から日本を変えていくという目標に向かって邁進している。2016年1月には京都市長選に出馬するも、惜しくも落選。しかし、小説が自身の考えを深く有権者に伝える媒体として大いに役に立ったと語る。

 

自身の人生と向き合い、常に“信念”と“誇り”を守り抜いてきた男の小説は、人生の次のステップへの架け橋となるだろう。

 

 

<編集後記>

 

「それ、本にして出版したほうがいいですよ!」

 

そんなことを言われたことはありませんか? あなたの人生はあなただけにしか経験したことのない、圧倒的オリジナルなコンテンツなのです。

 

「興味はあるが、私なんかの経験を本にして誰も読んでくれない」

「本にしてみたいけど方法が分からない」

 

よくこのような質問をいただきますが、重要なのは「圧倒的オリジナルなコンテンツ」をどう“魅せる”かです。弊社では、書籍づくりの基礎セミナーや編集者による個別相談会を実施しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

 

三上隆 著

『反乱兵の伝言』

 

 

太平洋戦争終戦から五年後、朝鮮戦争が勃発した。GHQは、日本で軍隊に変わる武装組織として警察予備隊を発足。警察予備隊に配属された三木義一は、青森県八戸にある米軍キャンプで訓練を始め、米式の訓練や生活様式に戸惑いを感じながらも、力を日に日に高める。

そんな中、部隊で犬猿の仲であった金井と中村が酔った勢いで口論になり、銃の撃ち合いをして、金井が死亡。このことを暴発事故として三木とその上司田中は隠ぺいしたことで苦悩する。

時を同じくして八戸に駐留する三木たち警察予備隊員に、日本海沿岸、北陸方面への移駐命令が下された。参戦が現実味を帯びてきたことで隊員の間には不安が広がり、退職希望者も現われ始め、「反乱」が起こり始めた。そんな隊員達を見ながら、三木もある「反乱」を起こすことを心に決めたのだった。

戦後の混乱期に発足した警察予備隊に関わった一人の若者を通して、当時の人々が未来に向き合っていく姿を描く。

 

幻冬舎ルネッサンス新社 代表取締役社長

企画編集室・室長を経て現職。代表取締役となった現在も、毎月10冊以上の書籍編集に携わる。手がけるジャンルはノウハウ書、旅行記、写真集、絵本など幅広いが、特に得意としているのは小説と自叙伝。著者の出版目的を満たすことを重要視し、書き手と細かく議論を重ねる編集スタイルが特徴。これまで多数の重版実績を持つ。

著者紹介

連載いま激増する「社長作家」――その実像を探る