「自用地」「貸宅地又は貸家建付地」の評価単位とは?

今回は、「自用地」「貸宅地又は貸家建付地」の評価単位について見ていきます。※本連載は、税理士・小寺新一氏、不動産鑑定士・税理士・吉村一成氏の共著、『改訂版 税務署を納得させる不動産評価の実践手法』(実務出版)の中から一部を抜粋し、土地の評価でポイントとなる「地目」と「評価単位」について解説します。

「利用の単位」が異なる土地は評価単位も別個に

(2)「自用地」と「貸宅地又は貸家建付地」の評価単位

 

所有する宅地の一部について普通借地権又は定期借地権等を設定させ、他の部分を自ら使用している場合には、それぞれの部分を1画地の宅地とします。

 

所有する宅地の一部を貸家の敷地の用に供し、他の部分を自ら使用している場合もこれと同様です。

 

(イ)例えば、図表1のような立地条件のA土地は、所有者が自ら使用し、第三者の権利の存しない土地ですが、B土地は所有者が自ら使用する一方で第三者の権利(借家権)も存する土地であり、A、B両土地は利用の単位が異なっていますから、これらは別個の評価単位となります。(本書『改訂版 税務署を納得させる不動産評価の実践手法』93ページの「質疑応答事例」参照。)

 

[図表1]

(注)A土地、B土地とも同一のものが所有し、A土地は自用家屋の敷地として、B土地は左の用に使用している1棟の建物の敷地として、それぞれ利用している。

 

この図表1のような評価単位の異なる土地は、次の①及び②の方法で評価します。

 

① A土地については、通路部分が明確に区分されている場合には、その通路部分も含めたところで不整形地としての評価を行います。これに対し、通路部分が明確に区分されていない場合には、原則として、接道義務を満たす最小の幅員の通路が設置されている土地(不整形地)として評価しますが、このときには、当該通路部分の面積はA土地には算入せず、また、無道路地としての補正は行ないません。

 

② B土地については、B土地を一体として評価した価額を、原則として、建物の自用部分と貸付部分との床面積の比により按分し、貸付部分については貸家建付地としての評価額を算出し直して、その合計金額をもって評価額とします。

所有地の隣に土地を借り、またいで建物を建てた場合

(ロ)また、図表2のように、甲は所有するA土地に隣接しているB土地を借地して、A及びB土地上に建物を所有している場合には、甲の所有する土地及び借地権の価額は、A及びB土地全体を1画地として評価した価額を基に、次の算式によってそれぞれの宅地の地積の割合に応じてあん分した価額を基に各々の権利の価額を評価します。

 

なお、丙の貸宅地を評価する場合には、B土地を1画地の宅地として評価します。

 

[図表2]

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連載土地評価の通則——地目の判定と評価単位の基礎知識

税理士

昭和25年東京都に生まれる。昭和47年関西大学法学部卒業。
大阪国税局採用。以後、資産評価官、岸和田税務署長、国税審判官、八尾税務署長等を歴任。平成21年7月大阪国税局退職。同年9月税理士事務所開設。

著者紹介

税理士
不動産鑑定士
CFP
芦屋大学客員教授 

昭和34年大阪市に生まれる。昭和59年同志社大学商学部卒業。大阪国税局採用。以後、評価公売専門官(徴収担当)、統括国税調査官(資産税担当)等を歴任。平成24年7月大阪国税局早期退職。不動産鑑定士登録後、吉村鑑定事務所開設。同年9月税理士登録後、吉村鑑定税理士事務所開設。

著者紹介

改訂版 税務署を納得させる 不動産評価の実践手法

改訂版 税務署を納得させる 不動産評価の実践手法

小寺 新一,吉村 一成

実務出版

土地評価の基礎知識から特殊な状況にある不動産の評価手法に至るまでの手順を簡潔明瞭に提示。不動産評価の現場業務に直結する評価物件の物的確認や法的利用規制の確認など、不動産評価を的確かつ効率的に進行させるための実務…

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