「不合理な分割」が行われた土地・・・評価単位はどうなる?

今回は、「不合理な分割」が行われた土地の評価単位について見ていきます。※本連載は、税理士・小寺新一氏、不動産鑑定士・税理士・吉村一成氏の共著、『改訂版 税務署を納得させる不動産評価の実践手法』(実務出版)の中から一部を抜粋し、土地の評価でポイントとなる「地目」と「評価単位」について解説します。

不合理な分割は、分割前の画地を「1画地の宅地」に

宅地の評価単位は、「第15 宅地の評価単位」(書籍『改訂版 税務署を納得させる不動産評価の実践手法』の99ページ)に掲げたとおりですが、例えば、次の(1)ないし(6)の例のように親族間等で贈与や遺産分割等による宅地の分割により、A部分は甲が、B部分は乙がそれぞれ取得することとした場合に、分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」とします。

 

下図(1)~(6)は、国税庁ホームページの【質疑応答事例】「宅地の評価単位―不合理分割(1)」からの抜粋ですが、図(1)は、現実の利用状況を無視した分割といえます。図(2)は無道路地を、(3)は無道路地及び不整形地を、(4)は不整形地を、(5)は奥行短小な土地と無道路地を、(6)は接道義務を満たさないような間口の狭小な土地を、それぞれ創出する分割といえます。

 

このような分割は、無道路地、帯状地又は著しく狭あいな画地を創出するなど、分割後の画地では分割時のみならず将来においても有効な土地利用を図ることができず、通常の宅地の用途に供することができない著しく不合理な分割と認められるため、原則としてA、Bに分割する前の宅地全体を1画地の宅地としてその価額を評価した上で、この価額に、A土地及びB土地の各価額の比を乗じた価額により評価します。

 

(国税庁「質疑応答事例」宅地の評価単位―不合理分割(1))

 

なお、この取扱いは同族会社間等でこのような不合理分割が行われた場合にも適用されます。

 

[図表1]

不合理分割に該当する事例

● 次の②の事例は、昭和55年6月24日付直評第15号ほか「個別事情のある財産の評価等の具体的な取扱いについて」(東京国税局管内税務署長宛)東京国税局長通達(「2−(1) 空閑地の評価単位」)において、不合理分割に該当する事例として示されたものです。

 

この取扱いは、東京国税局長通達の発遣によって、遍く人口に膾炙されましたが、先述の国税庁ホームページの【質疑応答事例】において示されている現行の取扱いは、これとは異なるといえるでしょう。

 

[図表2]

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連載土地評価の通則——地目の判定と評価単位の基礎知識

税理士

昭和25年東京都に生まれる。昭和47年関西大学法学部卒業。
大阪国税局採用。以後、資産評価官、岸和田税務署長、国税審判官、八尾税務署長等を歴任。平成21年7月大阪国税局退職。同年9月税理士事務所開設。

著者紹介

税理士
不動産鑑定士
CFP
芦屋大学客員教授 

昭和34年大阪市に生まれる。昭和59年同志社大学商学部卒業。大阪国税局採用。以後、評価公売専門官(徴収担当)、統括国税調査官(資産税担当)等を歴任。平成24年7月大阪国税局早期退職。不動産鑑定士登録後、吉村鑑定事務所開設。同年9月税理士登録後、吉村鑑定税理士事務所開設。

著者紹介

改訂版 税務署を納得させる 不動産評価の実践手法

改訂版 税務署を納得させる 不動産評価の実践手法

小寺 新一,吉村 一成

実務出版

土地評価の基礎知識から特殊な状況にある不動産の評価手法に至るまでの手順を簡潔明瞭に提示。不動産評価の現場業務に直結する評価物件の物的確認や法的利用規制の確認など、不動産評価を的確かつ効率的に進行させるための実務…

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