土地の評価の基本事項――「評価単位」の概要

今回は、土地の評価の基本事項である「評価単位」の概要を見ていきます。※本連載は、税理士・小寺新一氏、不動産鑑定士・税理士・吉村一成氏の共著、『改訂版 税務署を納得させる不動産評価の実践手法』(実務出版)の中から一部を抜粋し、土地の評価でポイントとなる「地目」と「評価単位」について解説します。

宅地の価額は「1画地の宅地」ごとに評価

1.評価単位についての一般的な定め

 

評価単位は、土地の評価の基本的な事項です。これを誤ると評価の計算そのものが成り立ちません。そのためには、本書『改訂版 税務署を納得させる不動産評価の実践手法』「第13 地目と評価単位」で説明したとおり、地目の判定を正しく行なうことが前提となります。

 

宅地の価額は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいいます。)ごとに評価します(評基通7−2 ⑴)。

 

「1画地の宅地」とは、原則として、①所有者が有する宅地の自由な使用収益権能に制約を加える第三者の権利(原則として、使用貸借による使用借権を除きます。)の存在の有無により区分した宅地です。また、②第三者の権利がその土地の上に存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに、それぞれ評価単位を別にします。

 

これらの利用状況等と、それぞれに対応する評価単位を対比して示すと、図表1のとおりです。

 

[図表1]

所有する宅地を自ら使用している場合の評価単位は?

2.評価単位の具体例

 

(1)「自用地(居住用と事業用に兼用されている宅地)」の評価単位

 

所有する宅地を自ら使用している場合には、その用途が居住の用か事業の用かの別にかかわらず、その全体を1画地の宅地とします。自用の宅地であれば、借地権、賃借権、借家権等による第三者の権利の制約がないので、その全体を一体として利用することが可能です。

 

例えば、図のように、所有する宅地をいずれも自用建物の敷地の用に供している場合には、その全体を1画地の宅地として評価します。

 

[図表2]

(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(措置法69の4)」などにおいては、居住の用又は事業の用に供している宅地の地積とその価額の区分計算を行ないますが、それは特例を適用する宅地を特定し、その価額を求める必要上行うものであって、居住の用か事業の用かは、土地の評価単位とは関係ありません。

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連載土地評価の通則——地目の判定と評価単位の基礎知識

税理士

昭和25年東京都に生まれる。昭和47年関西大学法学部卒業。
大阪国税局採用。以後、資産評価官、岸和田税務署長、国税審判官、八尾税務署長等を歴任。平成21年7月大阪国税局退職。同年9月税理士事務所開設。

著者紹介

税理士
不動産鑑定士
CFP
芦屋大学客員教授 

昭和34年大阪市に生まれる。昭和59年同志社大学商学部卒業。大阪国税局採用。以後、評価公売専門官(徴収担当)、統括国税調査官(資産税担当)等を歴任。平成24年7月大阪国税局早期退職。不動産鑑定士登録後、吉村鑑定事務所開設。同年9月税理士登録後、吉村鑑定税理士事務所開設。

著者紹介

改訂版 税務署を納得させる 不動産評価の実践手法

改訂版 税務署を納得させる 不動産評価の実践手法

小寺 新一,吉村 一成

実務出版

土地評価の基礎知識から特殊な状況にある不動産の評価手法に至るまでの手順を簡潔明瞭に提示。不動産評価の現場業務に直結する評価物件の物的確認や法的利用規制の確認など、不動産評価を的確かつ効率的に進行させるための実務…

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