前回は、傾いた校舎が生徒に与える悪影響について説明しました。今回は、たわんだ床で練習する卓球部の事例を見ていきましょう。

元が田んぼの造成地にある建物は、沈下しやすい

●CASE8 ボールが勝手に中央に集まる床は、いつか大事故を引き起こす

(市立中学校・体育館)

 

地方都市にある中学校の体育館の床は、見てすぐにわかるほどの沈下量でした。田んぼを造成した土地に建てられたため、もともと沈下しやすい環境にあったのです。実際、体育館よりも先に校長室、保健室の床も大きく傾き、1年前に修正工事を終えたばかりでした。

床の中央から上げていく工事によって、無事水平に

ここの学校は女子卓球部が強く、大きな大会で活躍していたのですが、何と、飛ばした球が、自然に床の真ん中に集まってくるのだそうです。

 

「球拾いの手間が要らないから、効率的に練習ができるんです。床を直して水平になったら、弱くなってしまうかもしれませんね」

 

指導する先生は笑っておっしゃっていましたが、もちろんそれは冗談で、たわんだ床での練習がよくないのは当然のことです。いつか大事故につながりかねません。それが心配の種になっていました。

 

広さは710平方メートル。その床の中央から上げていく工事によって水平が取り戻され、先生は安心して指導できるようになり、生徒の皆さんもこれまで以上に練習に集中できるようになったとのことです。

 

演壇の中央もたわんでしまった体育館
演壇の中央もたわんでしまった体育館

本連載は、2016年11月25日刊行の書籍『改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9割』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9 割

改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9 割

松藤 展和

幻冬舎メディアコンサルティング

4年前出版し関係者の間で話題沸騰したあの書籍が、「傾いた床」による様々なリスクを追加収録し、 【改訂版】としてパワーアップして帰ってきた! たった0.6度の床の傾きで、業務も傾く! 日本の建物の9割が地盤に起因…

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