前回は、コインランドリーが「有人営業」を義務付けられたらどうなるか、改めて考察しました。今回は、有人店舗が今後主流になるのか、コインランドリー業界のこれからについて見ていきます。

女性が深夜利用するなら、有人と無人のどちらを選ぶ?

コインランドリーはセルフサービスが基本で、コイン詰まりや故障などのクレーム対応以外接客対応はほとんど必要ないというのが今までの常識でした。オーナーの仕事は、集金と清掃などにかぎられているため、利回りの高い副業だといわれてきました。今も多くの人がそう信じているようです。

 

しかし先に述べたようにコインランドリーの有人化という流れが必然だとしたら、どうでしょうか。

 

私は行政によってコインランドリーの有人化が義務づけられるのではないかと述べました。それはちょっと極端な話かもしれませんが、もうひとつありそうなシナリオは、有人店舗と無人店舗による競争が激化し、無人店舗が淘汰されていくというものです。

 

たとえば最寄りに2つのコインランドリーがあったとしましょう。片や有人、片や無人。あとは条件がほぼ同じとしたら、女性はどちらを選ぶでしょう。今はまだ無人のコインランドリーがほとんどなので、あまり現実的な選択とはいえないと思いますが、深夜にコインランドリーを使わざるを得ないような場合、女性は迷うことなく有人の店舗を選ぶと私は思います。

付加価値が本当に高い有人店舗が出てくれば…

有人店舗が無人店舗と競争するためには、人件費がかかる分、さまざまなサービスを展開して有人店舗ならではの付加価値をつけていく必要があります。たとえば洗濯の代行です。洗濯ものを袋に入れてスタッフに渡し、代行料金を払えば、夕飯を食べている間に、洗濯、乾燥はもちろん、畳むところまでやってくれる。そしてさらに料金を払えば、自宅まで運んでくれる。こんなサービスがあったら、毎日は別として、どうしても疲れて洗濯する元気がないときや、病気のときなど、利用したくなるでしょう。

 

もしもこうしたコインランドリー店が近くにできたら、手軽な副業としか考えてこなかった個人オーナーが経営する無人店舗が対抗する手段は、料金を下げることくらいしかないでしょう。

 

こうしたサービス合戦による熾烈な生き残り競争は、すでにコンビニエンスストアの出店競争のなかで戦われてきました。同じ系列のコンビニエンスストアでも知恵をだしたところは生き残り、漫然と従来の経営に甘んじているところは潰れていく。これと同じようなことが早晩、コインランドリー業界にも起こってくる。私はそう思います。

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

鈴木 國夫

幻冬舎メディアコンサルティング

「ローリスク・ハイリターン」な投資先として近年注目を集めるコインランドリー。しかし実際のところ、コインランドリーは本当に儲かるビジネスなのか? 本書では、業界に携わって37年のベテラン社長が、業界の歴史から最近の…

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