前回は、生活費とは別に「緊急用のお金」を蓄えておくべき理由を説明しました。今回は、強制的に資産を形成する「らくちん貯金」とは何かを見ていきます。

給料の10%を「自動積み立て」する

金融広報中央委員会の「2011年家計の金融行動に関する世論調査」によると、20代で「貯金ゼロ」という人は、20代全体の44.7%もいるそうです。

 

半数近くが「貯金ゼロ」というのは、給料がまだ少ない20代ですから、仕方がない部分とも考えられます。では、リタイア前後の60代で「貯金ゼロ」が25.5%もいると聞いたらどうでしょうか。かなり衝撃的な事実です。ですが、これが今の日本の実態です。

 

貯金ができない人の多くは、「月末余ったら貯金しよう」とする傾向があります。残念ながら、この考え方では絶対にお金は貯まりません。では、どうすると貯まるのでしょう。一番良いのは、「給料が入ったら強制的に貯金する」という方法です。

 

貯金する習慣ができていない人は、一度手にしたお金を、自分の意思で貯金するのがとても難しいのです。だから、天引きの積み立てをするために、銀行の力を借りる「らくちん貯金」(自動積み立て)がお勧めです。

 

貯金する金額の目安は、給料の10%です。つまり手取り30万円なら、3万円です。

 

これは平均的な目安なので、実家暮らしの単身者ならそれ以上、夫婦共働きなら20%も可能かもしれません。都会で暮らす単身者は、家賃や生活費が高いので、10%でも厳しいという方がいるかもしれませんが、最低でも5%は目指しましょう。

 

銀行の力を借りて積み立てをすると、最初から引かれて入金されるので、残った額で生活しようと心がけます。最初は少し苦しいかもしれませんが、何カ月か続けると慣れてきます。この「残った額で生活する」という習慣が大事なのです。

 

明治から昭和にかけて、東大教授をしながら、一代で巨万の富をつくった本多静六氏は、大学教授でありながら、収入の4分の1、つまり25%を強制的に「らくちん貯金」して(天引きして)、貯めたお金を元に富を築いた伝説の億万長者です。

 

しかも彼は定年後に、全財産を匿名で寄付しています。「日頃から節約して貯めたお金を、世の中のために使う」、とても素晴らしい生き方です。

「なんのための貯金なのか」を明確にしておく

私自身、この「らくちん貯金」で救われた過去があります。サラリーマンでまだ若かった頃、「お財布のお金は、あるだけ使い切ってしまう」という時期がありました。

 

しかし、家庭に優秀なマネージャーがいて、毎月毎月、私の知らないところで、「らくちん貯金」を活用して、お金を貯めてくれていたのです。この「優秀なマネージャー」というのは、実は私の妻です。30歳前にして、マイホームの頭金として1000万円以上を用意できたのも、妻のおかげなのです。

 

「なんだ、らくちん貯金とは、そんな簡単なことか」と感じた人もいるかもしれません。けれども頭でわかっていることと、実際に行動することとは、天と地ほどの差があります。「そんな簡単なことか」と思った人は、今、「らくちん貯金」(自動積み立て)を活用できていますか? もしできていないならば、ぜひ行動することから始めてみてください。

 

また、「らくちん貯金」の使い方をあらかじめ決めておくことも重要です。せっかく貯めたお金も、明確な目標がないと自分が欲しいものを買ってなくなって、おしまいとなりかねません。

 

「なんのためのらくちん貯金なのか?」ここを明確にしてください。

 

これからお金のことを学び、活用していこうとする大人であれば、お金を貯める目的は「投資の種銭」をつくり出すことです。お金ができたらお金を生む「資産」を買うことが大事です。

 

「使えばなくなるもの」を買っていては、いつまでたってもラットレースから抜け出せません。そのために、考え方と方法論が必要なのです。ぜひ今から明確な目的を持って、らくちん貯金を始めてください。

 

<ポイント>

給料の5~10%を、毎月自動積み立てする

本連載は、2017年1月10日刊行の書籍『お金にモテる独身女子50のルール』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

お金にモテる独身女子50のルール

お金にモテる独身女子50のルール

和田 勉

幻冬舎メディアコンサルティング

女性の社会進出が進む中、経済的に自立した生活を送りたいと願う女性が増えています。しかし、出産や子育てを伴う女性は昇給の機会も限られており、休職と復帰、離職と再就職を繰り返す女性も多く、思うように収入を増やせない…

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