ノベル版『女騎士、経理になる。』~第2章その⑪

幻冬舎コミックス運営のWEBマンガ雑誌「デンシバーズ」と幻冬舎ゴールドオンラインによる特別コラボ企画。デンシバーズの好評連載『女騎士、経理になる。』の原作小説で、2016年6月24日に発売された単行本『女騎士、経理になる。①鋳造された自由』のプロローグと第1章、第2章、第3章を無料公開します。今回は第2章「ガバメント・オブリゲーション」その⑪です。

▼理髪外科医院、2階

 

理髪師「んも~っ、2人して何をお喋りしてたの?」
黒エルフ「た、大したことじゃないわ。さあ、始めてくれる?」

 

理髪師「は~い♪ 帝都で一番の美人さんに仕上げてあげるわぁ」
黒エルフ「え、ええ……楽しみだわ……」

 

黒エルフ(……うーん、悪い人には見えないけど……)

 

理髪師「んん~」マジマジ
黒エルフ「?」

 

理髪師「ちょっと失礼」ふにっ
黒エルフ「きゃあ!? どこ触ってんのよ!」

 

理髪師「もう少しボリュームがあったほうがいいわね~~」ふにふに
黒エルフ「ひゃぁああ!?」

 

理髪師「こう見えてアタシは外科医よ。膨らませることもできるけど、どうする?」
黒エルフ「余計なお世話よッ!」

 

理髪師「えー、そうかしらぁ~?」
黒エルフ「か、髪だけをお願いするわ!」

 

理髪師「うふふ、ごめんなさいねぇ。じゃあ、これをかぶってくれる?」
黒エルフ「これは……頭のてっぺんに穴を空けた麦わら帽子?」

 

理髪師「髪染めの秘薬は希少すぎて使えないでしょ? だから、太陽の光を利用するのよぉ」

 

黒エルフ「お日様の光で、髪を日焼けさせるってこと?」

 

理髪師「そういうこと。この帽子の頭頂部から髪を出して、ひさしの上に広げてちょうだい。キレイな色に焼けるわよぉ~?」

 

黒エルフ「ふぅん……。これでいい?」
理髪師「ええ、完璧!」

 

黒エルフ「日光を使うから2階のテラスだったのね。でも、なんだか毛が傷みそうね」
理髪師「心配ないわ!」

 

ちゃぷ……

 

理髪師「この化粧水で髪を常に濡らしておけば、日光のダメージを抑えられるの」
黒エルフ「きゃっ、冷たい! 何かの薬草の香りがするわ」

 

理髪師「カモミールよ。日光で髪を染めるときは、カモミールのエキスを混ぜた化粧水を使うの。もっとも、うちは秘伝のレシピで作っているけど」

 

黒エルフ「秘伝のレシピ」

 

理髪師「ええ。詳しい製法は秘密だけど、カモミールエキスのほかに大麦のわらと亀の血を加えて……」

 

ちゃぷちゃぷ……

 

黒エルフ「!?」
理髪師「さらに美肌効果のあるウグイスのふんと、生き物を燃やした灰を混ぜて──」

 

黒エルフ「ま、待って!」
理髪師「?」

 

黒エルフ「た、たしかに亀の血は……華国ではお薬に使うと聞いたことがあるわ。それに、和国の女性はウグイスのふんを化粧に使うらしいわね」

 

理髪師「あら、よく知ってるわねぇ」
黒エルフ「じゃあ、生き物を焼いた灰というのは……?」

 

理髪師「オタマジャクシよ」
黒エルフ ギャー!!

 

▼商業区

 

工房長「……何でしょう、今の悲鳴」
老練工房「ったく、ヤダねえ。近ごろは治安が悪くて」

 

(※結局、髪は染めませんでした)

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女騎士、経理になる。 ①鋳造された自由

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原作:Rootport,イラスト:こちも

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