前回は、不動産投資業を「法人化」するメリット・デメリットを見てきました。今回は、「不動産投資業の法人化」を行う際に知っておきたい会社設立の基礎知識を紹介します。

設立の初期費用が少なくてすむ「合同会社」

法人にするというのも、税金が絡むと難しく感じます。不動産投資における法人には種類があります。管理法人と所有法人です。

 

会社の種類

会社形態は「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類があり、不動産投資では、「株式会社」「合同会社」が向いています。

 

・合同会社

合同会社は新会社法で新たに認められた会社形態で、少ない設立コストで済むのが特徴です。有限の間接責任を負います。

 

・株式会社

株式の引受価格を限度とする有限の間接責任を負う株主だけからなる会社。会社法改正により資本金規制が撤廃され、1人でも株式会社が設立できるようになりました。

 

不動産投資における会社の種類

・不動産管理会社

個人もしくは他の法人が所有する賃貸不動産の管理運営を行う法人。

 

・不動産所有会社

プライベートカンパニー。保有法人は資産そのものを法人で所有する個人の資産管理会社です。

 

いくつかある法人スキームで多数の法人を作る場合は、合同会社でもいいと思います。理由としては、「初期費用が低い」。ただ単純にそこだけです。

不動産の管理形態により、法人に移せる利益は変動

基本的な考え方でいえば、不動産管理会社は、個人の賃貸不動産の管理のみを行います。個人の賃貸業から法人へ移せる利益は、家賃収入の5~8%程度が目安とされています。

 

サブリースでは、個人所有の不動産を法人がオーナーから満室時家賃総額の約85%から90%を目安として一括借り上げを行い、法人に収入を移行させる手法です。このあたりの判断は税理士によっても見解が変わる部分です。

 

2種類の管理方式

・管理委託

集金業務、入居者あっせん、契約更新、トラブル対応、建物維持といった賃貸物件に係る管理業務全般を委託する。

 

・サブリース

物件を一括賃借して、分割またはそのままの規模で第三者に転貸する事業形態。

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    本連載は、2016年6月30日刊行の書籍『不動産投資の嘘』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    不動産投資の嘘

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    大村 昌慶

    幻冬舎メディアコンサルティング

    融資のこと、業者のこと、出口戦略のこと…不動産投資において知っておくべき情報は数多く存在する。 これから投資を行おうと思っている人、実際に投資を行っている人の多くは、本やセミナーから多くの情報を得る。しかし、そ…

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