今回は、銀行の融資を引き出す「BS」を用いた収支計算方法について説明します。※本連載では、株式会社ライフラリ代表・大河原雄剛氏の著書、『はじめの一歩を踏み出す一冊 ふつうのサラリーマンがもっとハッピーになる不動産投資の授業』(廣済堂出版)の中から一部を抜粋し、不動産投資物件を増やし、スケールメリットを享受するためのメソッドを実例とともに紹介します。

預金は増えたが建物資産も0円に・・・

前回の続きです。

次にBSですが、こちらはPLに比べると少しややこしいので、図にして説明しましょう。

 

【図表】 融資のテクニック(BS編)

BSは、その人の純資産がどれくらいあるかを見る材料として使われます。会社の決算書のように「資産の部」と「負債の部」に分けると図のようになり、金融機関から見ると、右下の純資産の部分が融資を決定する上でのその人の価値になるわけです。

 

最初の1年目のBSはご覧の通り分かりやすいものですが、4年後を見ると、3210万円あったはずの資産が1610万円になってしまっています。

 

キャッシュフローと減価償却の節税によって預金は400万円増えていますが、大きく減ってしまったのが建物資産で、これが2000万円から0円になってしまったのが原因です。すでに法定耐用年数を4年過ぎていますから、建物の資産価値は0円と見なされるわけです。

 

すると、負債の部では返済が進み、ローン残債も2300万円に減っていますが、建物が0円になってしまったことによって、純資産(1210万円-2300万円=▲1090万円)がマイナスになってしまうわけです。

融資依頼の場では確定申告書で見えない箇所も説明

しかし、これはあくまでもBS上のことであって、現実は違います。

 

5年後にこの物件を収益物件として売却した場合、土地値の1000万円でしか売れないわけではありません。私の経験では、築古物件は5年くらいの違いではそれほど売り値は変わらない。買ったときと同じ3000万円程度で売れる物件なんですね。

 

ですから、BS上の数字と現実の数字に大きなギャップが出てしまい、この数字だけで判断されたら資産がマイナスですから、次の融資が付かなくなってしまいます。

 

確定申告書ではこの「実は……」の部分は見えませんから、「実はこうなっています」という部分が分かる説明書類を付けるか、きちんと説明に出向く必要があります。そうしたほうが明らかに融資が受けやすくなりますから。

 

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