今回は、不動産投資での「融資期間」はできるだけ短いほうが良い理由を説明します。※本連載では、株式会社ライフラリ代表・大河原雄剛氏の著書、『はじめの一歩を踏み出す一冊 ふつうのサラリーマンがもっとハッピーになる不動産投資の授業』(廣済堂出版)の中から一部を抜粋し、不動産投資物件を増やし、スケールメリットを享受するためのメソッドを実例とともに紹介します。

「キャッシュフローこそ不動産投資の生命線」は本当?

話は少し変わりますが、ここで、キャッシュフローに対する私の考え方を話しておきたいと思います。

 

今たくさん出ている不動産投資の本を見ると、「とにかくキャッシュフローが出るやり方を」とか「キャッシュフローこそ不動産投資の生命線」といった書き方をしているものが多いように感じます。

 

私はそこに違和感を感じるんですね。

 

そのために、「融資はできるだけ大きく、返済はできるだけ長く」というやり方が推奨されるのですが、キャッシュフローを多く出そうということにこだわると、高額融資をしてくれ、融資期間を長くとれるような限られた銀行に頼ることになり、金利も高めになります。

 

すると、どうなるでしょうか。

 

確かにこのやり方はキャッシュフローが出ます。1億円を金利4%の30年ローンで融資してもらうと、返済総額は約1億7000万円と莫大なものになりますが、これを30年で割れば月々の返済は48万円程度になり、家賃収入が80万円程度とすれば月々30万円のキャッシュフローが生まれます。ランニングコストを引いても20万円近くは残りますから、年間220~240万円くらいのキャッシュフローが残ります。

 

一方、同じ1億円を金利2.4%の15年ローンで借りるとすると、返済総額はおよそ1億1900万円と大幅に圧縮されます。しかし、返済期間は半分ですから月々の返済は66万円にもなり、これだと80万円の家賃収入があっても月々のキャッシュフローは5、6万円、年間でも60~70万円くらいしか残りません。融資期間が7年とか10年とかもっと短くなれば、間違いなくキャッシュアウト。持ち出しになってしまいます。

 

このどちらの考え方が得なのかという問題です。

融資期間はできるだけ短くして経費を圧縮したほうが得

ローン期間が長くても短くても、物件自体は同じなので、家賃収入は変わりません。ところがローン期間が短いほど返済総額も低くなりますし、金利も低くなるのが普通ですから、それだけ経費はかからなくなります。

 

ですから、本当ならば、融資期間はできるだけ短くして経費を圧縮したほうが得をするわけですね。

 

ところが、このやり方をするとキャッシュフローが出ない。場合によってはキャッシュアウトになりますから、損したような錯覚に陥るんです。

 

逆に言えば、融資期間を長くすればキャッシュフローが多く出ますから、一見こっちのほうが得したような気分になるんですね。

 

でも、実際は逆なんです。冷静に考えれば当たり前ですよね、先の例でも返済総額が5000万円も違ってくるんですから。

 

でも、私の会社のお客さんにこれを説明しても、なかなか理解してもらえません。「キャッシュフローが出ないなら、やる意味がない」と思っている方が大半ですからそうなるのでしょうが、本来、不動産投資の正しい考え方はそうではないということを理解していただけたらと思います。

はじめの一歩を踏み出す一冊 ふつうのサラリーマンがもっとハッピーになる不動産投資の授業

はじめの一歩を踏み出す一冊 ふつうのサラリーマンがもっとハッピーになる不動産投資の授業

大河原 雄剛

廣済堂出版

サラリーマン大家さんを応援する不動産投資コンサルティング会社を経営する著者が、知識も資金もない普通のサラリーマンが多額の融資を受け、不動産投資でもっとハッピーな人生を選択する方法を伝授。 安全かつ大胆な一歩を踏…

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