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10年後も成長する投資対象を選定するのは至難の業
【図表】資産の全体設計「お金のタマゴ」
「育てる投資」とは、10年以上は保有してじっくりと資産を増やすための投資を意味します。「欲張らない投資」は必要不可欠なのですが、インフレへの対処はできても将来に向けた資産形成の「エンジン」にはなれません。特に若い年代層には預金と「欲張らない投資」で基盤を固めた上で、「育てる投資」を一定額行うことが必要です。
10年程度じっくり保有し続け結果を求めるためには、10年後も成長が期待される投資対象の選定が重要になります。しかし、これはそう簡単なことではないのです。
10年前に液晶テレビの先駆者、日本のシャープが台湾の企業に買収されると予想した人がいたでしょうか? 当時の同社は液晶テレビのビジネスが好調で2006年3月期の売上高と利益は3年連続で過去最高を更新していました。しかし、2016年3月期の決算を乗り切れないほどに資金繰りに窮し、同社は同年2月に鴻海(ホンハイ)精密工業からの買収案を受け入れたのです。
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10年前にブラジルやロシア経済の現在の混迷をどれほどの人が予想していたでしょうか? ブラジル、ロシアはBRICs(Brazil,Russia,China,India)の一角として高い経済成長が期待され、ブラジル株式ファンドやロシア株式ファンドは大人気でした。
2016年の年初には、ブラジルは一時オリンピックの開催も危ぶまれたほどに経済は混迷、警察官への給与が払えないほどに財政は偪迫、治安は悪化し、通貨ブラジル・レアルと株価は大幅に下落しました。
バブル経済期の1988年末に3万159円だった日経平均株価が10年後の1998年末に1万3842.17円まで下落すると、当時の誰が考えていたでしょうか? 20年後の2008年末では8859.56円なのです。1988年当時の日本は世界第2位の経済大国として、米国の経済さえも抜くと考えていた人も多かったのです。
「育てる投資」は分散型であることが必須
このように10年後も成長している投資対象を選定することはそう簡単ではなく、10年程度じっくり保有し続け結果を求めるためには、相場の変動に踊らされて売ったり買ったりをしなくて済むファンドであることが必要です。それは必然的に投資対象を分散した分散型となり、単一国に投資するものや単一通貨に賭けるファンドでは役目を果たせません。
また資産の成長のエンジンとなるためには株式の組み入れが不可欠です。分散型の株式ファンドか、株式が多めのバランスファンドが候補となるでしょう。
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