「売上の計上基準」を場合によってはコントロールできる理由

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「売上の計上基準」を場合によってはコントロールできる理由

業種が多岐にわたる大企業では、売上の基準が多種多様に分かれており、ここに基準をコントロールする余地が生まれます。今回は、さまざまな売上計上のタイミングについて見ていきます。

売上の計上基準はそもそも一つではない

売上の計上基準を遅らせたり、早めたりすることで節税することができるのは、売上の基準が税法上で具体的に定められているわけではなく、その業種や個々の企業によって、かなり異なっていることが理由です。  

たとえば、業種が多岐にわたる大企業の場合などは、売上の基準が多種多様に分かれているといわれています。仮に、大手百貨店など、多元的にビジネスを処理しているケースで考えてみると、売上の基準はざっと挙げただけで次のようなものが考えられます。 
 
①売買契約が締結された時点
②商品発送を終えた時点
③船積みの時点(輸出の場合)
④顧客が商品を受け取った時点
⑤顧客の注文に応じて商品を加工した時点
⑥顧客が検収した時点
⑦代金の回収が終了した時点
⑧代金回収期限に到達した時点

 

大手のスーパーマーケットや百貨店などは、これらがすべて当てはまるビジネスになる可能性があります。

一度定めた基準の変更はできないのが原則

ところで、こうした売上の基準は大きく分けると「役務完了基準」をはじめとして「発送基準」「到達基準」「検収基準」「船積み基準」「取付完了基準」といった種類に分類することができ、しかも複数の売上基準を採用することができます。 
 
なかでも、もっとも一般的といわれているものが「役務完了基準」です。すべての必要な手続きを終了した時点で、売上に計上するものですが、周知のように、現実はそう簡単なものではありません。 
 
そこで、企業会計ではある程度の裁量権を個々の企業に与えて、その企業の事情などに応じて基準の設定を任せています。ただし、決算ごとに売上の基準を変更したり、新設することは認められていません。一度、定めた売上の基準は変更できないということです。 
 
しかし、近年では新しいビジネスをスタートさせたり、複雑な販売方法があって、そう物事は単純ではないことも確かです。

 

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