前回は、完全に売主サイドに立ってくれる「不動産仲介事業者」の探し方をご紹介しました。今回は売主として「不動産仲介事業者」に会うときの注意点について説明します。

売主側から出す情報は物件の「基本情報と希望」のみ

不動産仲介事業者に会うときには、余計な情報を出さないよう気をつける必要があります。後で買主側についたり情報を漏らしたりすることもあり得るためです。

 

売主側から出すのは物件の基本情報と「○○円で売りたい」という希望のみに限定します。基本情報については不動産の図面などの資料をあらかじめ自作しておくと便利です。

 

気の利いた仲介事業者なら「仮測量に入ってもいいか」などと問い合わせてくるので、日曜日など会社が休みで従業員がいないタイミングを見計らって、測量を行ってもらいます。

 

測量の費用を売主がその時点で支払う必要はありません。不動産が売却できるまで売主の経済状態はひっ迫しているので、「売却できたら支払う」という条件を出せば仲介事業者は動いてくれるはずです。

一見すると合理的な「入札」制度だが・・・

不動産を売却する方法の一つに「入札」があります。仲介事業者が不動産の購入希望者を募って購入希望額を提示させ、もっとも高い金額を提示した買手が競り落とすというやり方です。

 

入札の開始価格なども設定でき、一見すると合理的な方法に思えますが、あらかじめ仲介事業者と入札者全員がグルになっていて、低めの価格で落札できるよう仕組まれているケースが少なくありません。

 

大手の不動産仲介会社が主催する入札でもそういった不正がたびたび行われます。売手の側からは正しく入札が行われているか判断しにくいことは大きなデメリットです。

本連載は、2016年8月16日刊行の書籍『経営者のための事業用不動産「超高値」売却術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

大澤 義幸

幻冬舎メディアコンサルティング

事業が悪化し経営苦に陥った中小企業経営者の切り札「不動産売却」。できるだけ高値で売却して多額の負債を返済したいと考えながらも、実際は買手の〝言い値″で手放せざるを得ないケースが多い。しかし、売れないと思っていた…

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