(※写真はイメージです/PIXTA)

初めて投資信託を始める際、いったいどんなことを知っておけばいいのでしょうか? 経済アナリストの森永康平氏による著書『新NISA対応版 いちばんカンタンつみたて投資の教科書』には、初心者向けの投資信託の選び方がまとめられています。それでは、ポートフォリオを決めるときの考え方についてみていきましょう。

初心者はシンプルに1本だけでもOK?

ここでは自分がよいと思うポートフォリオを決めるのに役立つ情報を紹介しておきましょう。

 

私はシンプルに1本だけを選ぶのでもいいと思います。

 

先進国の株式市場に投資をしたければ、eMAXIS Slim全世界株式。米国株がよければ、楽天・全米株式インデックス・ファンドかeMAXIS Slim米国株式。

 

日本株式がよければ、ニッセイ日経平均インデックスファンドか、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)。新興国の株式市場がよければ、eMAXIS Slim新興国株式インデックスを選べばいいでしょう。

 

株だけに集中するのは恐いという方は、三井住友・DC年金バランス50(標準型)やeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)などのバランスファンドを選べば、複数の資産に分散されます。

プロはどんなポートフォリオを組んでいるのか?

それでは、参考までにここで投資のプロがどのようなポートフォリオを組んでいるかを見てみましょう。

 

私たちの年金の運用をしており、世界でも最大級のファンドでもある年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオを見てみたいと思います。

 

GPIFは現在223兆8,965億円もの資金を運用しています。

 

もともと、GPIFは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式という伝統的な4資産に対して、35%、15%、25%、25%という比率をベースに投資をしていましたが、直近では全て25%という4等分をベースにしつつ、各資産の乖離を少しだけ許容する運用をしています。

 

効果的に分散をするためには、やみくもに投資先を増やすのではなく、動きが逆になるものを組み合わせていくべきですが、一般的に株と債券は逆の動きをすると言われています。

 

そのような観点からは、バランス型の投資信託はGPIFの運用にも似ていると言えるでしょう。

 

また、「ポートフォリオは一度決めたら変えてはいけない?」などといった質問をいただくこともありますが、そんなことは全くありません。GPIFも基本的なポートフォリオの構成を変えているわけですから、私たちも変えてもいいのです。

 

たとえば、給与所得が長期間もらえて、かつその給与所得も上昇していく見込みがある20代や30代は比較的リスクをとっても大丈夫でしょうから、株だけに投資する投資信託1本、または米国株式と新興国株式の2本に投資していいと思います。

 

 

しかし、そろそろ定年を迎えたり、すでに定年を迎えたけれどももう少し資産運用を続ける必要がある場合は、それほどリスクを取れなくなってくるかと思います。

 

その場合は、ポートフォリオが株の投資信託だけというのは少し不安になりますよね。そういう時はバランス型に切り替えて、資産の一部を債券に切り替えるのがいいでしょう。

 

ただし、投資信託を短期間で切り替えるのはやめましょう。それだと、コツコツ積み立てるという本書でお勧めしているつみたて投資の手法からは外れてしまいます。

 

 

森永 康平

 

金融教育ベンチャーの株式会社マネネCEO/経済アナリスト

 

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※本連載は、 森永康平氏による著書『新NISA対応版 いちばんカンタンつみたて投資の教科書』(あさ出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

新NISA対応版 いちばんカンタンつみたて投資の教科書

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森永 康平

あさ出版

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