自信がない人ほど努力する
あなたは今までに、何らかの極限状況に置かれたことはあるだろうか。親しい友人や身内に身の危険が迫るのを目撃したり、不当な行為を目の当たりにして怒りに震えたりしたことは? 心の底から何かを欲しいと思ったことは?
もしあるなら、それらの体験をふり返ってみよう。自信は言われているほど役に立たなかったことに気づくはずだ。それにはもっともな理由がある。
もし本当に欲しいものがあるなら、自信があってもなくてもそれを手に入れようとする。そしてもしそれほど欲しくないなら、自信があってもなくても手に入れようとしないはずだ。
それに加えて、もし何かを目指すと固く決意しているなら、自信はむしろ邪魔になる。なぜなら、欲しいものが手に入ると確信するほど、手に入れるための努力は少なくなるからだ。
逆に、簡単には手に入らないと感じていれば、その分だけ努力も増える。つまり、何かで上達したいと考えることと、何かが得意であると自負することは、実は両立しないのである。
私の知っているもっとも優秀な人たちは、たいてい普通の人よりも自信が低い。そして私の知っているもっとも自信のある人たちは、平均より能力が低い。
私自身について言えば、自信を感じることなんてほとんどないが、自分の専門分野ではおそらく優秀なほうだと思う。もし私にもっと自信があったら、実力は今よりも下だっただろう。なぜなら、自信がない(すなわち、能力も低い)状態を克服するために、さらに努力することもなかったからだ。
自信のなさは、欲しいものを手に入れる妨げにはならないーこの事実を認識することが大切だ。
もし何かが本当に欲しいなら、それを手に入れるだけの実力がないという気持ちは、さらに努力する原動力になる。そして、成功するのにいちばん欠かせないのは、自信ではなく努力である。
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