(※写真はイメージです/PIXTA)

「自分には自信がない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、自信がないという気持ちは「さらに努力する原動力になる」とトマス氏は言います。著書『「自信」がないという価値』(河出書房新社)より、トマス・チャモロ=プリミュージク氏が解説します。

自信がない≠悪い事

成功は2つのパートに分けられる。それは、「準備」と「パフォーマンス」だ。

 

パフォーマンスの段階では、自信があるのはいいことだ。自信があると、周りからは能力がありそうだと思われるし、自分も不安な気持ちに襲われなくてすむ。

 

逆に、パフォーマンスの段階で自信がない状態だと、不安な気持ちが実力を発揮する妨げになる。やるべきことに集中できず、周りからも能力がなさそうと思われてしまう。

 

とはいえ、成功の中で「パフォーマンス」の占める割合はとても小さい。何かを達成するまでの時間と労力で考えれば、全体のほんの10%くらいだろう。残りの90%は「準備」だ。そして、自分のパフォーマンスに自信がない人ほど、より熱心に準備することになる。

 

たとえば、ある重要なプレゼンテーションを任されたとしよう。自信がなかったり、不安になったりするのはたしかにイヤなものだ。しかしそのおかげで、失敗や恥をかくのを避けるために、きちんと準備することができる。そしてその結果、自信があって心配していなかった場合よりも、はるかにいいプレゼンテーションを行うことができるのだ。

 

つまり、自分を向上させたいと思うなら、スタート時点で自信はないほうがいいということだ。自信を持つことは、本当の実力をつけるまではむしろ役に立たない。

 

そして自信のなさは、実力を高めることにつながる。言い換えると、成功は努力のたまものであり、そして努力するには自信はないほうがいいということだ。

 

これは考えてみれば当たり前であり、理にかなった話だろう。

 

しかもそれだけでなく、きちんとした科学の裏付けもある。高名な心理学者で、「自己効力感」(要するに「自信」と同じような意味だが、1980年代以降はこの言葉のほうが学者の間で好んで使われている)という言葉を作ったことで有名なアルバート・バンデューラは、高い実力が高い自信につながると明言している。

 

やはりパフォーマンスの質を上げることが、自信を高めるいちばんの近道だということだ。

 

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※本連載は、トマス・チャモロ=プリミュージク氏による著書『「自信」がないという価値』(河出書房新社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「自信がない」という価値

「自信がない」という価値

トマス・チャモロ=プリミュージク

河出書房新社

本書は、ロンドン大学・コロンビア大学教授にして人材・組織分析の権威が 社会心理学研究に基づき、”自信のなさ”の美点とそれらを武器にする戦略を解説する。 ・自信のある人はたいてい勘違いしている ・自信のなさはあ…

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