面接官「この応募者はハキハキ答えるし笑顔でいい!採用」←この選び方だと“採用ミス”が起きやすいワケ【経済・知能犯担当の元刑事が解説】

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(※写真はイメージです/PIXTA)

人間の上辺と本心は、必ずしも一致するわけではありません。目の前にいる相手のウソや心理を見抜くには、どうすればよいのでしょうか? 本稿では、森透匡氏の著書『元刑事が教える 相手のウソの見抜き方』(三笠書房)より一部を抜粋し、商談や採用などにも役立つ知識を紹介します。

心理を見抜くときは「非言語コミュニケーション」に注目

有名な「メラビアンの法則」をご存じでしょうか。

 

聞き手が相手へ好意を抱くときに影響するものは「言葉の中身」が7%で、「周辺言語」が38%、「見た目(顔の表情など)」が55%である、という法則です。

 

人間は言葉による「言語コミュニケーション」と、仕草や態度などによる「非言語コミュニケーション」でコミュニケーションをとっています。

 

我々は言語については学校で教わるのでよく知っていますが、非言語について教わることはありません。なんとなく普段の体験の中で非言語コミュニケーションを学んでいるのです。

 

そして、「言語」と「非言語」に不一致があった場合には、「非言語」のほうが正しいという判断をします。

 

たとえば、あなたの部下が失敗をしました。失敗の原因について聞き、叱責しました。そのあと、あなたの前にきた彼は「課長、すみませんでした」とふてくされた態度で謝ってきました。さてあなたは「言葉」と「態度」のどちらで社員の心理を読み取りますか?

 

当然ですが、「ふてくされた態度」ですよね。その態度を見て「反省してないだろう!」と激怒するのではないでしょうか。

 

つまり我々は「言語」と「非言語」に齟齬(そご)があった場合には、「非言語のほうが正しい」ということを知らず知らずのうちに肌で感じているのです。

「言語」や「顔の表情」だけで相手を判断すると、騙されやすい

また、著名なイギリスの動物行動学者デズモンド・モリスは、「人間の動作で信用できる順番」について、

 

●自律神経信号(汗が出る、手が震える、顔が赤くなるなど)

●下肢(足の向き)

●上肢(上半身の姿勢)

●意味のわからない手振り(話し手の無意識な手振り)

●意味のわかる手振り(バイバイと手を振ったり、Vサイン)

●顔の表情

●言語

 

と言っています。つまり、彼は一番信用できないのは「言語」であると言っているのです。それはそうですよね、人間は言葉でウソを言いますし、実際の心理とは違った感情を言葉で飾ることができますから。

 

次に信用できないのが、「顔の表情」と言っています。

 

人間はおかしくなくても笑ったりしますよね。つまり顔の表情で心理を誤魔化します。ですから、採用面接で、ハキハキ答えてニコニコしている応募者を見て、「この子はいい!」と採用を決めると、間違いが起こりやすくなります。飾れるところしか見ていないので、騙されてしまうのです。

 

つまり、人間の動作の中で自分ではコントロールできない部分に注目すると本当の心理を読むことができるのです。その最たる部分が自律神経信号であり、下肢、上肢と続きます。

 

人間が飾ることのできない無意識な部分には、心理を読むヒントが隠されています。従って、刑事は捜査の現場で非言語コミュニケーションにも注目して、相手の心理を読み取るのです。

 

 

森 透匡(もり ゆきまさ)

一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事

国税庁税務大学校、財務省税関研修所 研修講師

経営者の「人の悩み」解決コンサルタント

 

警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。東日本大震災を契機に独立し、刑事が職務上体得したスキル、知識を用いてビジネスの発展と社会生活の向上に寄与することを目的とし、一般社団法人日本刑事技術協会を設立。現在は代表理事として「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180ヵ所以上で講演・企業研修を行う。マッチングアプリ大手運営会社の詐欺防止に関わる有識者会議委員、『高齢者を身近な危険から守る本』(池田書店)の監修など、幅広く活動している。

TBS「ビビット」、日本テレビ「月曜から夜ふかし」、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。著書に『元知能犯担当刑事が教える ウソや隠し事を暴く全技術』(日本実業出版社)、『刑事(デカ)メンタル』(ダイヤモンド社)など。

 

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※本連載は、森透匡氏の著書『元刑事が教える 相手のウソの見抜き方』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

元刑事が教える 相手のウソの見抜き方

元刑事が教える 相手のウソの見抜き方

森 透匡

三笠書房

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