年内「1ドル150円台の円安」はもうこない?…為替のプロが「年末にかけての米ドル安・円高」を予想する理由

12月の「FX投資戦略ポイント」

年内「1ドル150円台の円安」はもうこない?…為替のプロが「年末にかけての米ドル安・円高」を予想する理由
(※画像はイメージです/PIXTA)

11月の米ドル/円は、2022年10月に記録した「1ドル151.9円」に迫る場面もありましたが、足元では落ち着きを取り戻し、1ドル140円台半ば~後半で推移しています。このようななか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、いくつかの理由から「年末にかけてさらに円高が進む」可能性を指摘します。詳しくみていきましょう。

日銀動向の予想と12月の米ドル/円予想レンジ

日銀は、1年前の12月の金融政策決定会合で、10年債利回りの上限を拡大する「サプライズ」をもたらしました。

 

当時米金利が大きく低下に向かっている局面で、日本の10年債利回りは米10年債利回りの影響を強く受けるため、その米金利が低下に転じたことから、日本の10年債利回りの上限を緩和しても、上昇は限られるとの判断があったのでしょう(図表9参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表9]日米の10年債利回り(2021年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

以上の観点から、米金利の状況は1年前と似ているので、日銀としてはいよいよ10年債利回り上限を撤廃、YCC(イールドカーブ・コントロール)を終了するチャンスと見ている可能性があります。

 

本来、中央銀行でもコントロールできない長期金利を政策目標としてきたYCC政策は、経済学者の植田日銀総裁からすると早く止めたいのが本音ではないでしょうか。

 

その意味では、米金利低下との関係を慎重に見極めながら、12月会合でYCC終了を検討する可能性は十分にあり得ます。

 

以上を踏まえると、12月の米ドル/円は上昇方向の動きは限られ、波乱があるなら下落方向ではないかと考えます。このため予想レンジは、142~149円で想定したいと思います。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

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