年収1,200万円の48歳エリートサラリーマン、年金月26万円・70代両親のため「サ高住」入居を援助も…自らの“老後破産危機”に絶句【CFPが解説】

年収1,200万円の48歳エリートサラリーマン、年金月26万円・70代両親のため「サ高住」入居を援助も…自らの“老後破産危機”に絶句【CFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が金銭的に困っていることを知ったら、多くの人は「なんとか援助できないか」と考えるでしょう。ただし、場合によっては自分自身の老後破産リスクが高まることもあるため注意が必要だと、牧野FP事務所の牧野寿和CFPはいいます。老後破産リスクとは無縁そうな「年収1,200万円のエリートサラリーマン」Aさん(48歳)の事例から詳しくみていきましょう。

「理想の老後」を叶えるために…Aさんがとった“驚きの行動”

今後の両親と自分の家計収支に問題はないか?

まずご両親の家計については、今後両親が重い介護状態になり転居が必要になったときのために、Aさんはサ高住で援助する毎月10万円に加えて、さらに毎月10万円ずつを17年間(父が98歳、母が95歳、Aさんが65歳になるまで。合計2,040万円)積み立てることにしていました。

 

この積立資金は、両親が生活していくうえでの安心材料になります。また、両親が使わなかった場合でも、Aさんの老後の生活資金になるでしょう。

※ 『生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度』によると、月々の介護費用の平均8.3万円。介護を行った場所別の介護費用(月額)は、在宅(サ高住も該当)では平均4.8万円、施設では平均12.2万円。介護期間は平均5年1ヵ月。つまり、平均費用で概算すると介護に必要な費用の総額は506万3,000円となる。

 

一方、Aさん自身の家計については、先述の老後破産を防ぐためにはマンションの購入価格を下げる必要があります。しかしAさんに聞くと、Aさんが目を付けたマンションは、立地がよく、思い入れもあるようで、“お宝物件”だそうです。

 

そこで筆者は、下記のように助言しました。

 

・現状でいま以上に収入を上げる手段はないため、毎月45万円かかっている生活費を65歳まで10万円下げて35万円にする

 

・65歳からは28万円で生活するようにして、意中のマンションを現金(4,300万円)で購入すれば、85歳になっても貯蓄残高は2,000万円ほどのこり、100歳になっても貯蓄は残る

 

一方、[前掲図表2]のように住宅ローンを返済していくと、85歳頃の貯蓄残高がは1,500万円ほどで、90歳を超えるころに貯蓄は乏しくなります。

 

住宅ローンは長期間にわたり家計収支が保たれるように返済するものですが、Aさんのように、住宅ローンの返済利息分貯蓄が減ることもあるのです。

 

Aさんは、「もう少し考えてみる」と言ってその日は帰られました。

 

トップセールスマンの矜持でさらに値下げ!「理想の老後」に前向きなAさん

しばらくしてまた筆者の事務所に訪れたAさんは、「あのマンションについては、再度交渉したところさらに100万円下げてもらい、4,200万円になりました。だから現金で一括購入することにしたんですよ」と笑顔です。

 

Aさんは、仕事が楽しくあっという間に48歳になり、なにも「絶対に結婚したくない」わけではないそうです。ただ、Aさんの理想の夫婦はご両親とのこと。「理想が高すぎるのかもしれませんね」と笑っていたのでした。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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