ホッとしたのも束の間、Aさんを襲った3つの「不安」
両親の“終の棲家”が決まりホッとしたAさん。「今度は自分の番だ」と、都内のマンションを探し始めました。
結婚の予定はないAさんですが、周囲の同年代は家族を持っている人が多く、Aさんのように単身で生活をしている人はあまりいません。
また、自分がシミュレーションしたとおりの収支で生涯生活できるのか不安になったAさんは、以前Aさんの会社でセカンドライフについて講演を行ったことのある筆者のところに相談に訪れました。
Aさんは筆者に、次の3点について相談。筆者はそれぞれについて、一緒に考えていくことにしました。
1.年金受給額を調べたところ260万円程度となっていたが、低すぎないか?
2.4,500万円の中古マンションを見つけ、そこに住みたいと思っているが、住宅ローンを組んだほうがいいか?
3.今後の両親と自分の家計収支に問題はないか?
年金受給額を調べたところ260万円程度となっていたが、低すぎないか?
Aさんが仮に65歳まで勤め、冒頭の上司の話どおりに収入があったとしても、65歳以降の年金受給見込額は、老齢基礎年金73万5,400円※に老齢厚生年金187万7,900円を加えた261万3,300円(月額21万7,775円)となります。Aさんの給与や役員報酬額より4分の1以上減る計算です。
※ 23歳から60歳まで加入した令和5年度の受給額、20歳から40年間加入すれば満額79万5,000円受給できる。
こうなってしまう理由は、厚生年金受給額の計算する基準となる「標準報酬月額(毎月の給与)」にあります。Aさんのようにたとえ月収が100万円ほどあっても、月収63万5,000円以上は65万円で計算されるのです。したがって、年金受給額の上昇は期待できません。
4,500万円の中古マンションを見つけたが、住宅ローンを組んだほうがいいか?
Aさんは現在48歳で、貯蓄が4,500万円あります。Aさんの培った話術で販売会社と交渉し、マンションを現金で購入するなら200万円割り引かれ、4,300万円で買えるそうです。
そこで、[図表2]のように現金4,300万円で購入した場合(①)と、2,000万円を現金で支払い、残りの2,500万円は借入れ、年利1.5%全期間固定の住宅ローンで17年間で返済する場合(②)を比較してみました。
すると、どちらを選んだ場合でも、机上の計算ではAさんがリタイア後に家計が破産してしまうことが判明しました。
Aさんはこのシミュレーションをみて絶句。しばらく考え込んだあと、「いやいや、そんなわけありません。自分でいうのもなんですが、私はけっこう稼いでいますよ?」と納得していない様子です。
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