(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの時代もなくならない相続トラブル。親/子ども/きょうだいと、死後のことを話すのは気まずい…。といった声は多いものですが、生前対策を怠ってとんでもないトラブルに巻き込まれる事例が相次いでいます。そこで本記事では相続対策の「基本のキ」を紹介していきます。

実家暮らし長男を襲ったまさかの事態

相続のシーンでは、故人の遺産をめぐりドロ沼の争いになることが少なくありません。特に不動産の相続は平等な分割が難しいため、相続人の間で不平不満が噴出してしまうことも……。

 

たとえば下記のような例。自分事ではなくとも、親戚や友人で身に覚えのある人はいないでしょうか。

 

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〈加藤一家の事例〉

加藤義男さん(仮名)。55歳独身、地方公務員です。高校卒業後は上京し都内の有名大学に進学しましたが、卒業と同時に帰郷。地域を支える市役所職員として、真面目に働いてきました。

 

結婚を考える相手もいましたが、縁は実らず、現在まで独身です。父は10年前に他界。高齢で一人暮らしになった母を気遣い、5年前から実家で暮らしています。

 

義男さんには妹がいます。50歳・専業主婦の佳代子さん(仮名)です。佳代子さんは東京近郊の郊外で夫・娘・息子と4人で暮らしています。実家に帰省することは滅多になく、加藤さん一家が顔を合わせるのは数年に1回あるかないかです。

 

仲が良くもなく、悪くもなく……と微妙な関係が続いていた兄妹でしたが、事態が一変したのは1年前のこと。母の急死でした。

 

80歳を超えていた母・ヨシヱさん(仮名)。数年前から軽度の認知症傾向にありましたが、大きな問題となることはありませんでした。しかしある日、食事をのどに詰まらせて救急車を呼ぶ騒ぎに。誤嚥性肺炎を起こしてしまったのです。

 

若いころからタバコを好んでいたこともあり、肺が非常に弱かったヨシヱさん。みるみるうちに身体が弱っていき、長男、長女に看取られながら静かに亡くなりました。

 

父すでに他界しているので、相続人は義男さんと佳代子さんの2人だけです。遺言書はなく、残されたのは自宅と預貯金500万円でした。

 

葬儀後まもなく、遺産分割について話し合いの場が設けられましたが、そこで思わぬ展開になります。双方の意見に食い違いが生じたのです。

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