(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの時代もなくならない相続トラブル。親/子ども/きょうだいと、死後のことを話すのは気まずい…。といった声は多いものですが、生前対策を怠ってとんでもないトラブルに巻き込まれる事例が相次いでいます。そこで本記事では相続対策の「基本のキ」を紹介していきます。

子のいない夫婦…夫亡き後に1本の電話が

相続のシーンでは、故人の遺産をめぐりドロ沼の争いになることが少なくありません。特に子どものいない夫婦の場合、配偶者が亡くなると信じられない事態に陥ることもあるのです……。

 

たとえば下記のような例。自分事ではなくとも、親戚や友人で身に覚えのある人はいないでしょうか。

 

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〈Aさん夫婦の事例〉

夫60歳、妻のAさん55歳。親戚付き合いはあまりなく、都内の戸建てで穏やかに暮らしていました。長年連れ添った仲良し夫婦でしたが、60歳になってすぐ、夫のガンが判明。発見が遅れたこともあり、1年足らずでこの世を去ってしまいます。

 

自身の老い先を見据えていたのか、亡き夫は遺言書を残していました。妻のAさんは突如として自宅と現金を相続することに。

 

あまりにも早い死に悲しみを抑えきれないなか、Aさんのもとに1本の電話が舞い込みます。見れば、義理の母からの連絡でした。もともと関係性があまり良くなかった2人。良い知らせではないと、Aさんは直感的に理解しました。

 

その予感は的中します。「私にも相続権があるでしょう。あなたが全部相続するなんて、ありえない。私から息子を奪っといて……。遺言書もあなたが書いたに決まってる」と何時間も糾弾し始めたのです。

 

亡き夫が残したのは、「公正証書遺言」と呼ばれる、公証役場の公証人に作成してもらった正当な遺言書です。義母を騙して財産を独り占めなんて、当然考えていませんでした。

 

憤りを隠せないAさんですが、頭をよぎったのは「母さん、最近認知症になったと思うんだよなあ」という生前の夫の発言。被害妄想ともいえる罵詈雑言に、「もしや認知症の初期症状では?」との疑念が湧きます。

 

とはいえ確認する術はありません。はい、はい、いえ、そんな……と聞き流して終わったものの、以降毎日のように電話が来ます。次々と言い放たれる酷い言葉に、Aさんの心身はボロボロになってしまいました。

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