生前贈与で父にもらった4,000万円の土地…「義務じゃないから」と〈贈与登記〉をしなかった40代夫婦の悲劇【司法書士が警告】

生前贈与で父にもらった4,000万円の土地…「義務じゃないから」と〈贈与登記〉をしなかった40代夫婦の悲劇【司法書士が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産の贈与を受けた際、贈与登記が必要となります。しかし、費用がかかるうえ義務ではないこともあり、「必要に迫られてからで良いか」と放置している人は少なくありません。しかし、義務ではないからと登記しないまま放置していると、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクがあると、司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏はいいます。事例を交えて詳しくみていきましょう。

マイホームを建てる準備は整った!しかし…

さらに5年が経った頃、40歳になった洋子さんが妊娠しました。家を建てる頭金もそろい、いよいよ一軒家を新築しようということで、山田さん夫婦は土地の登記をするため司法書士事務所に依頼をすることにしました。

 

そこで山田夫婦は、司法書士からまさかの事実を告げられたのです。

 

司法書士「この土地の登記はできません」

 

驚いた山田さん夫婦は、すぐに横山さん宅へ向かいました。実は、土地の贈与を受けた翌年、山田さん夫婦と横山さんは「孫はいつできるのか」という話から言い争いとなり、仲違い。以来4年間一度も会っていませんでした。

 

「お父さん! 前に譲ってくれた土地が知らない人の名義になっているらしいんだけれど、なにか知らない?」

 

喧嘩したとはいえ、自分のことを目に入れても痛くないほどに可愛がってくれた父親が、大切な土地を勝手に売ってしまうわけがない……。なにかの間違いだと信じたかった洋子さんは、遠回しに話を切り出しました。

 

「知らん!」

 

横山さんは、まだまだご立腹。まったく話をしてくれません。洋子さんは仕方なく、司法書士から受け取った登記簿を母に見せて相談しました。登記名義人は、『丸山圭一』と書いてあります。

 

「丸山さんって、もしかしてあの方かしら? そういえば!」

 

そう言って母が戸棚から出してきたのは、売買契約書でした。売買契約書の内容を確認すると、買主は『丸山圭一』となっています。洋子さんは、その契約書の写真を撮り、司法書士事務所に向かいました。

 

「先生、父の家で甲土地の売買契約書が見つかりました。父が勝手に甲土地を売ってしまったみたいです。贈与契約書のとおり、甲土地は確かに私がもらった土地なので、丸山さんの名義を消して私に変更してもらえますか?」

 

5年間、どんな家を立てようかと考え、いよいよ夢が現実となると思ったのに……洋子さんは、冷静ではいられませんでした。

 

しかし、司法書士の答えは「こうなってしまった以上、横山さんから山田さんへの登記移転は不可能となりますね」

 

その答えに、山田さんご夫婦はガックリと肩を落としてしまいました。

 

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