③どちらかといえば、金融引き締めを心配すべき
第3に、[図表5、6、7]の網掛け下部メモからもわかるとおり、景気後退のきっかけの多くは、地政学イベントというよりも、金融緩和によるブームとその後の「金融引き締め」です。
また、金融市場の変動の大きさも、地政学イベントよりも、経済や金融市場での「ひずみ」の解消が引き起こすショックのほうが大きいことがわかります。
現状にかんがみると、金融引き締めは最終局面であり、過去のパターンに沿えば、今後1~2年のあいだに世界経済の拡大は減速するとみられます。
そうした状況下、今回の地政学イベントが今後、より広い中東地域に拡大して原油価格がふたたび上昇したり、主要国の軍事支援の拡大が財政懸念(金利上昇)につながったりすれば、景況感を下押しする可能性も十分に考えられます。
景気の拡大はまだ続くとみられますが、とはいえ偏りがないように、十分に分散して臨みましょう。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走