いま考えたい〈円→外貨〉への資産のシフト…「新興国」の成長を享受できる投資先とは?【エコノミストが解説】

いま考えたい〈円→外貨〉への資産のシフト…「新興国」の成長を享受できる投資先とは?【エコノミストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

外貨建て投資を行う際、「利回り」だけで選ぶのは危険です。一方で、安定性の高い先進国通貨にもリスクは存在しています。それでは、投資先を選ぶとき、何を基準にすればよいのでしょうか。本稿では、第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏による著書『インフレ課税と闘う!』(集英社)から一部を抜粋し、運用収益を最大化するために外貨建て投資を行う際のポイントについて解説します。

「新興国株式」だからこそ実現できる投資法

より具体的に考えると、新興国の株式投資(またはETF投資)をした方が、そうした国々の成長力を反映した値上がり益を享受できる。ETFとは、上場投資信託のことである。

 

その国の株式をまんべんなく買うことで、個別株式の変動を相殺して安定的に成長の利益を狙うことができる。ただし、トルコやインドネシアなど数か国のETFではやはり分散効果が十分とは言えないので、もっと多くの新興国に数を増やした方がよさそうだ。

 

値動きが荒い新興国投資は、リスク・コントロールの難易度が高い。新興国の株式や通貨の変動が同じ方向に動くときは、いくら分散をしても損失が生じることがある。

 

それでも利益を追求したいということであれば、長い期間にわたって保有することが大切だ。

 

例えば、10年間で1.5倍に高成長する国なら、その国の株価も同調して上昇して投資元本が10年後には150となる。途中で換金しないつもりで、時価が増えるのを待つ。一度、投資元本が150まで増えると、一時的に急落しても株価が元本割れをしにくい。

 

インカムゲインを蓄積して、値下がりの可能性(キャピタルリスク)を吸収できるようにするのがポイントだ。これは、時価が大きく上がっていく新興国株式だからこそ可能だと言える。成長力のある新興国株式は、インカムゲインが大きいので、キャピタルロスを防ぎやすい。

 

インフレ課税と闘う!

インフレ課税と闘う!

熊野 英生

集英社

コロナ禍やウクライナ戦争を経て、世界経済の循環は滞り、エネルギー価格などが高騰した結果、世界中でインフレが日常化している。これからは、「物価は上昇するもの」というインフレ前提で、家計をやりくりし、財産も守ってい…

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