サステナビリティに関わる意識と消費行動(2)-意識は成長段階・行動は途上段階、教育機会や情報感度、経済的余裕が影響

サステナビリティに関わる意識と消費行動(2)-意識は成長段階・行動は途上段階、教育機会や情報感度、経済的余裕が影響
(写真はイメージです/PIXTA)

原料や製造過程において、環境や人権などのサステナビリティに配慮した企業や製品が増えています。日本の消費者はサステナビリティへの取り組みに対して、どの程度意識して消費行動を行っているのでしょうか。本稿では、ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏が、消費者のサステナビリティに関わる意識や行動について解説します。

世帯年収別の状況

高年収ほど意識が高く、行動は正規雇用者の多い層を中心に積極的

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[図表6]世帯年収別に見たサステナビリティに関わる意識(そう思う割合) 注:上から全体で多い順。全体より+5%以上はピンク色、-5%未満は水色で願掛け。

 

世帯年収別に見ると、意識面については、世帯年収1,000万円未満では、そう思う割合が最も高いのは全体の上位3つのいずれかだが、世帯年収1,000万円以上1,200万円未満では「手間がかかっても、企業はサステナビリティを配慮すべきだ」(54.3%)、世帯年収1,200万円以上では「お金がかかっても、企業はサステナビリティを配慮すべきだ」(1,200万円以上1,500万円未満は56.5%、1,500万円以上2,000万円は61.1%)で半数を超えて高く、高年収世帯では企業に対する見方が厳しい(あるいは期待が大きい)傾向がある。ただし、いずれも2位以下と僅差である。

 

世帯年収による違いを見ると、そう思う割合は高年収世帯ほど高まるものが多く、世帯年収1,500万円以上2,000万円以下では半数を超えるものが多い。行動面については、そう思う割合が最も多いのは、世帯年収800万円未満では「価格が安くてもサステナビリティに影響のある製品は買わない」であり、いずれも25%未満だが、

 

世帯年収800万円以上1,000万円未満や世帯年収1,200万円以上では「サステナビリティを意識して行動している」、世帯年収1,000万円以上1,200万円未満では「サステナビリティについて学ぶ機会を積極的に得ている」であり、いずれも3割前後を占める。

 

注:省略して表記 資料:ニッセイ基礎研究所「生活に関する調査」
[図表7]世帯年収別に見たサステナビリティに関わる行動(全体の上位6位まで) 注:省略して表記
資料:ニッセイ基礎研究所「生活に関する調査」

 

行動面について世帯年収による違いを見ると、意識面と同様、そう思う割合は高年収世帯の方が高い傾向はあるが、必ずしも比例しているわけではない。

 

「価格が安くても人権問題等のある製品を買わない」や「サステナビリティを意識して行動している」、「サステナビリティについて家族や友人と話すことがある」は高年収世帯ほど高まるが、「価格が安くてもサステナビリティに影響のある製品は買わない」や「学校や組織等でサステナビリティについて学ぶ機会がある」、「サステナビリティに関する情報を収集している」、「サステナビリティを意識してボランティア活動等をしている」では世帯年収1,000万円以上1,200万円未満がピークである。

 

この理由としては、世帯年収1,000万円以上1,200万円未満では、民間・正規が多い影響があげられる(58.5%、全体より+26.5%pt)。なお、民間・正規では、これらの項目でそう思うとの回答が同様に多い。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年10月18日に公開したレポートを転載したものです。

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