フィリピンの貿易収支と輸出伸び率
フィリピンの7月の輸出額(通関ベース)は前年同月比1.2%減(前月:同0.9%増)の61億ドルと小幅に減少した(図表13)。
輸出の基調は昨年後半に電子製品を中心に増加傾向で推移したが、その後は世界的な需要の鈍化や一次産品の価格下落により減少傾向にある。
また輸入額は前年同月比15.3%減(前月:同15.0%減)の103億ドルとなり減少幅が拡大して9カ月連続の前年割れとなった。結果として、貿易収支は▲42.0億ドルの赤字となり、赤字幅が前月から2.6億ドル拡大した。
輸出シェア上位10品目をみると、まず輸出全体の6割近くを占める電子製品が同7.7%増(前月:同11.7%増)となり、3ヵ月連続で増加した(図表14)。電気製品の内訳を見ると、電子データ処理機(同40.5%減)は減少したが、主力の半導体デバイス(同18.2%増)が増加した。
その他9品目については、生鮮バナナ(同27.3%増)や精錬銅(同18.4%増)、金(同3.7%増)、機械・輸送用機器(同2.0%増)が増加した一方、ココナッツオイル(同41.2%減)とその他鉱業品(同26.4%減)、化学品(同20.5%減)、その他製造品(同15.2%減)、イグニッションワイヤーセット(同1.5%減)が減少するなど、品目によってばらつきがみられた。