(写真はイメージです/PIXTA)

国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しの改訂版によると、23年は世界の実質GDP伸び率は前年比3.0%と、23年4月時点の見通しから上方修正されました。本稿ではニッセイ基礎研究所の 高山武士氏が、地域別の成長率見通しや、国別の改訂状況について解説します。

1.内容の概要:23年の見通しを小幅に上方修正

7月25日、国際通貨基金(IMF)は世界経済見通し(WEO:World Economic Outlook)の改訂版を公表し、内容は以下の通りとなった。

 

【世界の実質GDP伸び率(図表1)】
2023年は前年比3.0%となる見通しで、23年4月時点の見通し(同2.8%)から上方修正
2024年は前年比3.0%となる見通しで、23年4月時点の見通し(同3.0%)と同じ

 

 

2.内容の詳細:下方リスクは軽減したが、リスクは依然として下方に傾いている

IMFは、今回の見通しを「短期的な強靭性、続く課題(Near-Term Resilience, Persistent Challenges)」と題して作成した1
 
世界経済成長率(ベースライン)は、今年23年がやや上方修正、24年は不変だった(23年2.8(改訂前)→3.0%(改訂後)、24年3.0→3.0%)。ただし、いずれも過去平均(00-19年)の成長率(3.8%)を大きく下回る伸び率となっている

IMFは23年1-3月期の内需が予想以上に底堅かったことに言及しており、経済活動が底堅かった理由として、サービス部門の堅調さを挙げている。一方、製造業などは弱含んでおり、経済部門間の格差が拡大しているとも指摘している。

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年7月26日に公開したレポートを転載したものです。

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