(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年分の確定申告の期間が2月16日から始まっています。確定申告によって控除を受けることができる制度の一つとして「医療費控除」があります。実は対象となる費用の範囲が広いのですが、周知されているとはいえず、十分に活用されていないのが実情です。本記事では、医療費控除の制度と、控除対象となる費用の範囲について解説します。

◆視力回復のための施術の費用

視力回復のための「オルソケラトロジー」や「レーシック手術」といった施術は「治療」にあたり、医療費控除の対象となります。衰えた視力を取り戻すことは「治療」にあたるからです。

 

これに対し、メガネやコンタクトレンズを購入した場合は、原則として医療費控除の対象外です。なぜなら、それらは装着することによって視力を「矯正」するにすぎないからです。

 

ただし、例外があります。医師等の治療を受けるため必要なものと判断されれば、医療費控除の対象となりえます。

 

◆歯のインプラント治療、歯列矯正の費用

歯のインプラント治療は、失われた歯を回復するものなので「治療」にあたります。インプラント治療は保険適応外ですが、医療費控除の対象となるか否かは、保険適応の有無とは必ずしも一致しません。

 

ただし、治療費が不相当に高額でなく常識的な範囲内の額である必要があります。

 

歯列矯正も、不正咬合の治療を目的とするものであれば対象に含まれます。しかし、美容目的のものは対象外です。

通院・入院のためにかかった交通費

医師の診療・治療を受けるための通院・入院の際、公共交通機関を利用すれば、原則的に医療費控除の対象となります。「治療」を受けるのに必要な費用といえるからです。

 

ついでに買い物等をした場合でも、上記必要性は否定されません。

 

これに対し、マイカーを使用した場合のガソリン代は対象外です。なぜなら、マイカーの利用は日常生活の一環だからです。

 

また、タクシーを使った場合のタクシー代も原則として対象外です。通常は公共交通機関やマイカーでこと足りることが多いからです。

 

ただし、タクシー代も、例外的に医療費控除の対象として認められる場合があります。たとえば、一人暮らしで足が悪く、公共交通機関の最寄り駅やバス停等まで自力で移動するのが難しいといった事情がある場合です。

市販の薬、湿布、一部のドリンク等には「セルフメディケーション税制」も

これに加え、医療費控除にはもう1つ、2017年分に新設された「セルフメディケーション税制」があります。これも、意外に範囲が広く、活用の余地があります。

 

セルフメディケーション税制は、ドラッグストア等で所定の医薬品を年間12,000円を超えて購入した場合に、その超過した額について所得控除を受けられるというものです。

 

従来の医療費控除と併用できないので、両方の要件をみたせば、どちらか有利なほうを選ぶことになります。

 

セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は、購入時のレシートに「★」等の印字がされます。

 

一般的に「医薬品」としてイメージしづらい栄養ドリンクや湿布等も商品によっては対象となることがあります。したがって、ドラッグストアで買い物した際のレシートは必ず保管することをおすすめします。

 

なお、インターネット通販で購入した場合は領収書が必要なので、要注意です。

 

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