地方移住を検討している人必見!仕事選びの前に「準備しておくべきこと」とは?【専門家が解説】

地方移住を検討している人必見!仕事選びの前に「準備しておくべきこと」とは?【専門家が解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

※本記事は、有限会社e.K.コンサルタント代表取締役・森康彰氏の『地方で働き、地方で生きるという選択』(幻冬舎メディアコンサルティング)より抜粋・再編集したものです。

移住の目的や理由を明確にしよう

2019年のコロナ禍によって、これまでの私たちの価値観は大きく見直しを迫られました。テレワークによって仕事や住まいの考え方も変わり始め、地方移住はより現実味のある選択肢となっています。

 

私の知人のなかにも数名が、東京から地方への移住を実現させました。40代で移住した友人は次のように語っていました。

 

「20代は都会に憧れ、30代は都会を満喫し、40代は都会に疑問を感じるようになった」

 

もちろん、都会にはたくさん魅力的なことがあります。しかし、地方にもその土地にしかない魅力があるのです。

 

地方の魅力を存分に味わえる移住を成功させるには、実行する前に目的や理由を明確にしておくことが大切です。具体的に行動を起こす前にしっかり準備をすることで二の足を踏んだりせず、目的意識や希望をもって移住を進めることができます。

家族をもつイメージをする

自分が望む家庭をイメージすることで、移住先の環境を選びやすくなります。私の知人で地元へUターンした人たちは、大半が結婚して子どもができたタイミングで移住してきました。いずれ家族をもちたいと考えているのであれば、そのときにどういった家族になりたいかイメージしてみてください。また家庭をもっている知人や先輩から、どのような生活を送っているのか聞くのも効果的です。

 

独身で若いうちに人生を謳歌する方法は、実はいくらでもあります。夏は高知でサーフィンをして、冬は北海道でスノーボードのインストラクターをして生活している人もいます。トヨタの期間工を辞めてから失業手当をもらいながらジャマイカで過ごしたり、お金を貯めて1年かけて世界旅行に出掛ける友人もいます。そこまで極端でなくても、社会人になると学生時代よりも自由に使えるお金が増え、自分の楽しみに使える金額も増えます。

 

一方で家族をもつことをイメージするのは、これから先の死ぬまでの生活をイメージするのに重なります。

 

私たち家族は冬の寒い時期を除いて、晴れた日には縁側で食事をすることがよくあります。向かいの山の若葉が茂る様子を見ながらビールを飲んだり、子どもたちが花火をするのを眺めながら七輪で焼肉をしたりするのです。コロナ禍で外食の機会は減りましたが、それができるお陰でストレスなく過ごしています。弟夫婦は家の近くに古いガレージと土地を買い、夫婦で大型自動二輪の免許を取り、ツーリングしたり、土地に井戸を掘り畑を耕し楽しんでいます。母は初孫が生まれたときに60歳を過ぎていましたが、孫とスキーを楽しみたいといってレッスンに通い始め、今シーズンその願いを叶えました。

 

移住をする際には、自分のお金を自分のためだけに使いながら暮らす生活ではなく、大切な人と家族になって数人で一緒に過ごす想像をしましょう。家族でスキーを楽しみたいなら雪の降る地域、海辺の家で暮らしたいなら海の見える地域など、移住先を自然と絞り込むことができます。初めて子どもが生まれたときに「子どもを授かり、一緒に生活することがこんなに幸せなことなんだったら早く教えといてくれよ!」と、私自身強く感じたのでここに記しておきます。

 

私は37歳のときに結婚し、子どもが生まれたのは40歳になってからでした。それまで趣味や仕事や好きなことをしてきましたが、子どもが生まれたことは今まで経験した何よりも多幸感がありました。私たち人間は本能的に繁殖することに喜びを感じるようになっているのだと思います。また自分の子どもに対してはシンパシーを強く感じ、子どもが喜んでいると自分もうれしくなります。初めて触れる世界に対する子どもの驚きや喜びは初々しくて、それを見守っていると心が洗われます。

 

近頃は一部で結婚しないことを低収入のせいにする風潮がありますが、幸せに生きることが大切なら、好きな人と結婚して子どもを授かり育てることは、そのために何を犠牲にしても後悔はないと思います。地方での生活は、時間にゆとりが生まれます。忙しく働き、得たお金を娯楽で消費している生活からシフトチェンジするうえで何よりもお勧めです。

自分の資産運用を始める

これまで東京で働いてきた人たちが、地方に移住する場合、その前からやっておいてほしいことがあります。自分の資産運用をすることです。

 

地方での仕事選びは、やりたい仕事ではなくとにかく営業職を選ぶことをおすすめします。その際、異業種へのチャレンジになる可能性も高いですが、逆にそれがいい経験になるのです。実際、私も映像制作から金融仲介業へと身を転じた一人です。私がまったく畑違いの世界に飛び込んで最初にやったのは、とにかく経済についての情報をスポンジのように吸収して、金融について勉強をすることでした。

 

そのときにいちばん役に立ったのは、株式市場の動きを毎日欠かさずチェックし続けることでした。これは地方に限ったことではないですが、世の中を鳥のように俯瞰して見渡せる目(経済用語ではマクロの視点という)をもち、広い視野で経済を見通せる力を養っておくと、この先必ず役に立ちます。

 

地方経済を考えるうえでも大切なのは、その地域のマーケットスケールはもとより、どのようなサービスが不足しているのかを見極め、地域社会に必要とされているサービスを探り当てることです。株式市場は株の値動きを追っているようで、実はその値動きの根拠を探っています。そこには今世界で何が起きていて、経済のトレンドは何なのかを知るヒントがたくさんあります。また今のトレンドだけでなく、この先の未来を見通す力も養われていきます。

 

日本の数ある都市のなかでも、マクロレベルのトレンドが最初にカタチとなって現れるのは東京です。東京の街や人々の生活がどのように変化し、その背後ではどのような変化が起こっているのかを考察するのです。東京でサラリーマン生活を送っているうちからこうしたことにアンテナを張るようにしておくと地方での転職先を考えるうえで参考になります。

 

とはいえ、なかなか最初のうちは何に気をつければいいのか分からないものです。そこで是非ともお勧めしたいのが、経済がどのように動いているのか、マクロの視点を養うために株式投資や投資信託を実際に始めることです。株式投資に実際に参加するのはこの世界のルールを知るためにとても役立つうえ、自分事として経済全般に関心をもちやすいのです。

 

金額はいくらであれ、自分が投資したお金の変動を定期的にウォッチしていくことで、自然に経済を定点観測することができます。前日まで下がっていた株価がなぜ急に上がったのか、個別銘柄が伸びているのは何が要因なのかなどを考察するのです。

 

経済は世界でつながっていて米国で起きたことは必ず日本の株式市場にも影響を及ぼします。投資をやっていなければ気にも留めないかもしれませんが、遠く米国で起こっていることは食品や生活用品など私たちの身近な生活に直結しているのです。このようなことが分かってくると身の回りで起きていることや毎日のニュースの見方もまったく変わってきます。

 

ただし大事なことはあくまでも最初のうちは投資で勝とうなどと考えないことです。あくまで自分の勉強のつもりで、負ける前提で始め、少し損が出ても続けることが重要です。勝った負けたなどと一喜一憂するのではなく、この世界がどんなルールで回っているのかを知ることが重要です。損が出た分は勉強代だと割り切れる程度の金額を、最大の額として投資するのが良いと思います。

 

森 康彰

有限会社e.K.コンサルタント 代表取締役

 

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地方で働き、地方で生きるという選択

地方で働き、地方で生きるという選択

森 康彰

幻冬舎メディアコンサルティング

経済的にも精神的にも豊かな暮らしは“地方"でこそ手に入る! 移住・就職・独立起業―― 新しい一歩を踏み出すための地方生活のすすめ 東京の一流大学を卒業し、大都会にある有名な会社で一生安定して働く―― 今までも…

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